コーヒーは豆にお金をかければかけるほどおいしいのは周知の事実。できればすでに挽いてある粉よりも、豆を買ってきて、ごりごりと自分で挽いたほうが圧倒的においしいですよね。
だとしたら、「焙煎」も自分でやってみたら、もっともっとおいしくなるのかしら?
実は、2015年7月3日より全国の書店で「本格珈琲焙煎生豆キット」というコーヒー好きには無視できない商品がフェリシモから発売されています。その名のとおりすぐにでも直火焙煎が楽しめる、煎りパンと4種類の生豆がセットになったものです。
これさえあれば、コーヒー好きも素人の域を超えるかも? そこで本日は「本格珈琲生豆キット」を実際に使って直火焙煎を楽しんでみました!
【煎りパンと4種類の生豆】
書店で販売中のキット(2,000円+税)では、長さおよそ27センチの煎りパンと4種類の生豆(「タンザニア エーデルワイス農園」「グァテマラ ウェウェティナンゴ」「パナマ ゴールデンビートル」「ブラジル アマレロブルボン」)と、焙煎方法や豆の情報が載ったカードが入っていました。
煎りパンはコーヒー豆の焙煎のほかに、焙じ茶やごま、ぎんなん、豆などを煎ることができるそうです。これはあとあと重宝するかも。
【ピンチ!「飛び散ります」「黒煙出ます」】
そもそも記者(私)とコーヒーの出会いはというと…あれは17の頃でした、という話はおいといて、さっそく付属の情報カードを読んでいると、こんな文字が。
「焙煎中はチャフ(豆の外側の薄皮)が飛び散る可能性がありますので、キッチンのガスコンロより、カセットコンロで室外での焙煎をおすすめします」
って、ガスコンロでできないんかーい! さらにアイスコーヒーの作り方にはこんな怖いことも書いてあったよ。
「深煎り焙煎中は黒煙が出ますので室外での焙煎をおすすめします」
こ、黒煙! これじゃあ庭のないマンションに住む記者(私)みたいなひとたちには非常にやりづらいぞ。お隣さんが紅茶党かもわからないし、そもそもベランダから黒煙がもっくもく出てたら大騒ぎですよ。
ということで、急遽、庭のある実家で試してみたよ!
【まずは浅煎り! 火にビビりすぎて時間かかった】
ではさっそく作ってみたいと思います。屋外にガスコンロを設置して、風よけのために100均で購入したアルミ製の油よけをセットします。まずは「タンザニア エーデルワイス農園」を浅煎りにします。
「煎りパンでの焙煎方法」を参考につくりましたが、書いてある時間によると、15分くらいでできるはずが、ビビってしまったせいで火から遠すぎたのか、すべての手順を終えるのに1時間ほどかかりました。
【つづいて深煎りは40分ほどで完成】
2回目は「グァテマラ ウェウェティナンゴ」という若干「ウェーイw」みたいなテンションの生豆を深煎りにします。左右に揺すると豆の色がムラになってしまうので、チャーハンを炒める感覚で揺すり続けました。
初回よりもやや火に近づけてやってみたので、およそ40分で完成。ということは、きっともっと火に近づけていいのかしらね? 「焦げちゃう〜!」と思って火を恐れることなかれ! さきほどの浅煎りではなかった、豆が脂でツヤツヤしています。
これからの季節、屋外でガスコンロを小1時間つけっぱなしにするのはかなり暑そうですが、5分ごとに撮影した豆がだんだん褐色に変わっていくさまは見ていて愛おしいです。
【マンションのベランダでもできそう…かも?】
チャフ(コーヒー豆の薄皮)が飛び散るとありますが、たしかに多少は飛び散ります。深煎りでは黒煙がもくもくというほどではなく、青白い煙がつつつっと出たくらい。意外と室内でもいけなくもないような、ベランダでもできそうな量でした。
ただし、お隣さんが紅茶党な場合、「洗濯物にコーヒーの匂いがついたじゃないの!」と怒鳴り込んできそうなくらい、周囲がコーヒー臭になります。好きな人にはとってもいい匂いなんですけどね。
【試飲しようとしたら……】
粗熱をとれたところで、いざ試飲! と思いきや、
「焙煎後は、香りも弱く味も落ち着きませんので、1日置いたほうがおいしいコーヒーになります」
とのこと。炎天下の中、もうすぐ食べられると思って焼肉したら「これ明日のお昼ご飯だから」と言われて取り上げられたような思いがしました。いわゆる肩透かしってやつ。
【浅煎りは青々とした匂いが】
翌朝、1日置いたコーヒー豆をまずはかじってみると、浅煎りのほうは煎り大豆の味が! 浅すぎた! ペーパードリップで淹れてみると、浅煎りは紅茶のような色に。味はコーヒーの味はせず、青々とした匂いがする「豆汁(まめじる)」のようなものに。
【深煎りは成功! 自分の焙煎に感動】
一方、深煎りのほうは袋を開けた瞬間コーヒーの香りが広がり、かじってみると味もコーヒー豆でした。色もコーヒー色。味は、スタバの高い豆と比べちゃうとすごくおいしいわけでもないけれど、自分で焙煎したんだと思っているので、おいしいというか愛おしいと感じました。
「今回にかぎっては深入り(煎り)したほうがいいね」なんて記者(私)の父からも親父ギャグが飛び出します。父よ、なんというサービス精神なのだ。
【オーブンでもできるらしい】
オーブンレンジで200度で10分加熱してから、煎りパンで仕上げるという方法もあるそうで、こちらのほうが手は疲れないし楽かもしれませんが、これだとせっかくの焙煎が楽しめないかなと思います。実務的な焙煎のときは圧倒的に時短かもしれませんが。
【まとめ:焙煎には一筋縄ではいかない魅力がある】
フェリシモの「珈琲焙煎生豆キット」は、初心者でも気軽に挑戦できるキットながら、焙煎はとっても奥が深いということがわかりました。1度や2度で簡単にマスターできる代物ではないです。次に課題が残りまくりでした。でもこの一筋縄でいかないところ、どっぷりはまってしまいそうな予感!
今回のキットでは、煎りパンと50gの生豆4種類がセットになっていましたが、フェリシモで申し込むと2回目以降からは生豆種類が全部で12回届くんだそう。
我こそはコーヒー党! という方はぜひ挑戦してみてください。ふだん、当たり前のように焙煎されたコーヒー豆のありがたさを味わえちゃいますよ。
参考元:フェリシモ
焙煎・撮影・執筆=黒猫葵 (c)Pouch
▼「本格珈琲焙煎生豆キット」おもて面
▼うらはこんな感じ
▼ほうじ茶やぎんなんにも使えるらしい!
▼まずは浅煎り。こんな色でスタートしました
▼出来上がったのがこちら。カラーチャートの浅煎りと同じくらいの色です
▼今度は深煎りに挑戦!
▼5分後
▼10分後
▼20分後
▼30分後
▼40分後
▼市販の焙煎された豆と比べると全然違います。
▼チャフの飛び散りはこの程度
▼1日置いて試飲します。浅煎りから
▼あまり泡がもこもこしません
▼紅茶のような色。味はますいです。
▼深煎りはこんなかんじ
▼お! これはおいしそう!
▼コーヒーの香りがします
▼「今回にかぎっては深入り(煎り)したほうがいいね」by父