香り高いクロワッサンに、ふわふわのブリオッシュ。「フランスの朝食といえば、焼き立てのパンとカフェオレだよね!」と、想像を巡らす方も多いのではないでしょうか。
でも意外なことに、クロワッサンやブリオッシュが食卓に並ぶのは、ゆっくりできる週末や休日がメイン。平日の朝には、なんと「乾パン」やシリアル、ビスケットなどを食べる人が多いのです。
「え……乾パン!?」記者(私)がフランスで暮らし始めたときにも、乾パンが定番の朝食だということに衝撃を受けました。
そこで今回は、フランスの乾パンが実際どのようなものなのか、一体どんなふうに食べるのか、ご紹介したいと思います!
【スーパーの乾パン売り場】
現地スーパーのお菓子売り場の隣には、多くの場合「乾パンコーナー」があり、好みに合わせたものを選ぶことができます。週末に南仏郊外の大型スーパーを訪れたところ、品薄状態にビックリ……!
定番の朝食ということもあり、週末にまとめ買いする人が多いのでしょうか。
【ブリオッシュにバゲットなど、パンの種類もさまざま】
みなさんもご存知の通り、フランスはパンの種類が豊富です。なんと驚くべきことに、乾パンも種類が豊富で、目移りしてしまうほどのラインナップ!
卵と砂糖たっぷりのブリオッシュに食パン、バゲットにクロワッサン。また、オーツ麦やライ麦など穀物入りのものや、レーズンやリンゴなどのドライフルーツ、あるいはチョコチップが入ったものなど、好みや家族構成に合わせて選べるようになっています。
サクサクした軽いものや噛みごたえのあるものなど、食感もいろいろ。どの乾パンもほどよくトーストした感じに仕上がっています。現地では、バターやジャムにハチミツなどを塗って食べる人が多いようです。袋から出せばすぐに食べられるところが、忙しい現代人のライフスタイルに合っているのかもしれませんね。ちなみに1袋1〜1.6ユーロ程度(約130〜210円)。
【誕生した当時は獄中の食事だった!】
フランスの乾パンの歴史は1885年に遡ります。長期保存が効くこともあり、当初は受刑者の食事として重宝されていたそうです。栄養バランスの良さと手軽さ、そして味の面からも、現在では多くの人たちの食卓にのぼる朝食アイテムのひとつになりました。乾パンは3枚程度で165〜180kcal、これは通常の食パン6枚切り(1枚)とほぼ同じカロリーです。
【「乾パン」なの? 「ラスク」なの?】
ラスクというと、バターや砂糖たっぷりのスイーツのようなものを想像しがちですが、本来は「二度焼きしたパン」という意味なのだとか。フランス人が朝食に食べるものは、トーストしたパンに近い味わいで、スイーツとはちょっと異なります。
このため、初めて口にした時は「乾パン」なのかと思いましたが、現地では「ビスコット(ラスク)」という呼び名です。
確かにこの「乾パン」、種類が豊富なこともあって飽きがきません。かくいう私(記者)も、平日の朝は乾パンとヨーグルトを食べることが多い気がします。乾パン1袋(150円程度)でだいたい1週間もつため、ひとつ120円程度で一食限りのクロワッサンやブリオッシュと比べても、コスパが良いのです。
いかがでしたか? フランスを訪れる機会があれば、スーパーの乾パン売り場にも注目してみてくださいね!
参考:cathbleue.com
取材・撮影・執筆=sweetsholic (c)Pouch