[ 最新シネマ批評・ネタ編 ]
映画ライター・斎藤香が最新映画に関する話題の中からおススメする、いまもっとも注目! のHOTな映画ネタをお届けします。
『アベンジャーズ』『アイアンマン』など、ここ数年でマーベルコミックの映画化が続々公開されていますね。このたび映画となって日本にお目見えするのは、身長わずか1.5センチのとっても小さなヒーロー『アントマン』!! “映画史上最小のヒーロー”の活躍は愉快痛快です。
さて、映画公開を記念して、この『アントマン』と日本のアーティストとのコラボが実現! そのアーティストとは、鹿児島在住の田中達也さん。
【ミニチュア界の巨匠!】
田中さんは、ミニチュア人形と日常の道具でさまざまなシーンを構成する、ちょっと不思議でファンタジー感のある写真を多数発表していることで知られています。人形たちがブロッコリーの林に迷い込んだり、スプーンやフォークを滑り台にして遊んだり……現実世界がそのままミニチュアにされたようなリアル感があって楽しい作品の数々はとっても魅力的。
そんな、ミニチュアの視点で日常を見つめる田中さん。今回彼が『アントマン』とのコラボにあたってチョイスしたネタは、田中さんの地元・九州各県の特産品!
ミニチュアとのコラボのアイデアについて、田中さんはこう語っています。
「どうすればこちらが考えた見立てが見る人に伝わるかを考えます。今回の作品でいえば、カボスとアントマンだったら“積まれたカボスが山に見える→ここに道があれば山らしくなる→じゃあ、皮をそいで道を作ってみよう”。からし蓮根は“穴がひとつ空いていると秘密の通路みたいだ→どうすれば秘密の通路に見えるかな→ハシゴをつけてみよう”という感じですね」
すごい、想像力を駆使して作りだしているのですね。でも楽しそう! クォリティの高さ&田中さん自身が楽しんでいるのが伝わるから、Instagramのフォロワー数が1ヶ月で8万人も増え30万人突破したのですね、WOW!
【映画『アントマン』の予習にどうぞ!】
アイデアを思いつくと速攻でメモするという田中さん。
「すぐに実行に移せるアイデア、アイデアを形にするために必要な材料、アイデアに繋がりそうなヒントなど、属性ごとに仕分けして管理して、作品を作るときはメモを見ながらやっています」
ちなみにメモはOmniFocusというiPhoneのアプリを使っているそうです。
映画『アントマン』の魅力とコラボ制作の苦労については、
「映画は、小さい世界ならではの闘い方やこちらの予想を上回るアイデアがあって楽しかったです。ミニチュアで面白可笑しく見せるという部分では「MINIATURE CALENDAR」に共通しますね。難しかったのはアントマン人形の動きが限られているので、その中でアイデアを違和感なく魅せることです」
とのこと。コラボアートのアントマンは、なんと映画『アントマン』の設定そのままに身長1.5cmなのだそう。
「劇場で観る前の予習としてアントマンの小ささを認識してもらえれば。それから九州各県には美味しいものがたくさんありますので、観光にぜひ(笑)」
ちっちゃいアントマンがカボスの上にチョン! など、アーティスティックでかわいいアントマン&九州名産品。
田中さんのミニチュアアート、ますます話題になりそうですね!
★プロフィール
田中達也:1981年熊本生まれ。鹿児島を拠点に広告、印刷物、WEBなどを手掛けるアートディレクター・デザイナー。2011年4月より「MINIATURE CALENDAR」を開始。写真集「MINIATURE LIFE」発売中
『アントマン』2015年9月19日より全国ロードショー
©Marvel 2015
執筆=斎藤香(C)pouch
▼制作中の様子。撮影画像を確認しているところ。
▼普段作品に使われる人形たち。ちっちゃーい!