流行の食べ物、というと、みなさんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。
世界的に見ると、ここ数年では、栄養素が特にすぐれた食材「スーパーフード」など、健康を意識したものが多く流行っていた印象です。
しかし、来年2016年のトレンドは、ヘルシーを通り越してかなり衝撃的なものになるという予想が……! 海外サイト「Mashable」掲載の2016年の食のトレンド予測を元に、いくつかピックアップしてみましょう。
【昆虫料理】
コオロギ入りのハンバーグにバッタで出汁をとったスープ……。考えただけでもキョーレツ! 多くの日本人からするとあえて食べようと思えない昆虫類ですが、実は必須アミノ酸や鉄分などのミネラルにビタミン、たんぱく質が豊富です。肉や魚に比べてカロリーも低く、ヘルシーな食材であることは間違いありません。さらに昆虫は成長スピードが速く、一度に生まれる個体数が多いため、世界の食糧難を救う食品として期待されている模様。でも、やっぱり見た目がねぇ……。
ロンドンには、昆虫専門店「Grub Kitchen」が今年の秋にオープン、「コオロギのハンバーガー」や「昆虫と野菜のインド風揚げ物」といったメニューを味わうことができます。同レストランでは昆虫を育てる工場を経営していることもあり、新鮮な昆虫を使った料理で一躍有名に。
アメリカでも昆虫を使った料理を提供するお店は増えているというし、東京にも昆虫料理が食べられるレストランがいくつかありますよね。これからは昆虫の時代なのでしょうか……。
【地球環境に優しい食のテクノロジー】
世界に人口が増え続ければ、食料危機が訪れることは確実です。特に、たんぱく質源となるお肉や卵は生産コストが高く、供給量に限りがあります。そこで、大豆やえんどう豆などを原料にした肉に代わる擬製肉や、卵の代用品として微細藻類の粉やカルシウムなどを配合した「ビーガン・エッグ」などが広く出回るとのこと。
これらの食品はもともと、肉や魚を食べない「ベジタリアン」や、肉や魚に加えて動物性たんぱく質を食さない菜食主義者「ビーガン」向けのものでしたが、地球環境にもよいということで現在注目を集めているのだそう。
【ベーコン味の海藻】
国内を始め東アジアの地域では広く食べられている海藻。欧米では「海藻=海苔またはワカメ」ぐらいの認識しかありませんでしたが、来年はアジア版のスーパーフードとして海藻ブームの到来がささやかれています。
米オレゴン州立大学の研究チームが、赤い海藻「ダルス」を揚げるとベーコン味がすることを発見! ちなみにこの海藻にはミネラルだけでなくたんぱく質も豊富に含まれているとのこと。でも、せっかくローカロリーの海藻を油で揚げてしまったら、全然ヘルシーじゃないでしょ……と思うのは、記者だけでしょうか?
【廃棄食材を使ったグルメ料理】
「ダムスター・ダイビング」という言葉をご存じでしょうか? 直訳すると「ゴミ漁り」という意味なのですが、「使える食材もたくさん捨てられている。これらを有効活用しようじゃないか」という肯定的な意味が生まれています。アメリカやオーストラリアなどの国々では、捨てられた丸ごとの食材を活用して、ボランティアの炊き出しをしたりする人もいるほど。
今年は、この流れが進化。シェフや生産者などが一丸となって、レストランの廃棄食材を活用して新たな料理を提供するサービス「WastED」を立ち上げました。レストランで使われなくなった食材ですから、味はもちろんのこと、衛生面でも安心……少なくとも、ゴミ捨て場のものよりはずっと。
【フィリピン料理】
海外サイト「Mashable」に限らず、最近アメリカのメディアは「フィリピン料理」推しの傾向に。豚肉を多用することや、揚げ物料理、甘いデザートが多いので、もしかするとアメリカ人が好む味なのかも。記者(わたし)はフィリピンで2年ほど暮らしていましたが、全体的に甘くて脂っこい料理が多いため、現地在住の日本人や駐在員に不評だったと記憶しています……。
このように、来年の食のトレンドは、限りある資源を有効利用しようという姿勢(サステイナビリティ)が強く感じられるものになりそう。トレンド予想の続きは、海外サイト「Mashable」をご覧あれ。カリカリした食感が楽しい「バッタ入りタコス」のレシピも紹介されていますよ。
しかしまあ、昆虫食が環境や健康によいとはいえ、そのまま積極的に取り入れるのはなかなか難しそう……! 記者は「イナゴ」を食べていたおじいちゃん、おばあちゃん世代に昆虫の活用方法を聞いてみようと思います。
画像:ぱくたそ
参考:Mashable、Grub Kitchen、Daily Mail、Wast ED
執筆=sweetsholic (c)Pouch