「全国和菓子教会」ウェブサイトによれば、6月16日は和菓子の日なのだそう。
西暦848年(承和15年・嘉祥元年)の夏、仁明天皇が御神託に基づいて、6月16日に16の数にちなんだ菓子や餅などを神前に供えて、疫病を除け健康招福を祈誓し「嘉祥」と改元したという、古例にちなんでいるといいます。
せっかくですから、和菓子を食べたり、あるいは誰かに和菓子を贈ってみるといいかもしれません。
【京都の人へ「和菓子を持参する」のはNG!?】
ところで……みなさんはこんなウワサをご存じでしょうか。それは「京都の人にお茶菓子を持っていくとき、和菓子をチョイスすると嫌な顔をされる」というもの。
【なぜダメなのか】
記者(私)は、初めてこの話を耳にしたのですが、かつて都内でテレビ関係の仕事をしていたという、当「Pouch」編集部スタッフNによると「当時の上司からは、いつも “京都に和菓子は持っていくな” と言われていた。だから京都でロケがあるときは、先方にいつも洋菓子を持っていっていた」そう。
なんでも、その理由は「京都の人は京都の和菓子がいちばん美味しいと思っているから」なのだそうですが……これってホントにホントなの!?
【京都出身者&京都に住んでいた人に話を聞いてみた】
ってなわけで、さっそく京都出身の編集スタッフW、そして京都に10年間住んでいたというライター・夢野うさぎ記者に、真相を聞いてみたよ!
編集W「嘘です。どんなお菓子でもうれしいです。もしかしたら、元貴族の京都人は厳しいかもしれません」
夢野記者「和菓子屋さんに流派があるので、京都のお寺に和菓子を持って行くこと自体が難しい。 “京都の和菓子じゃない方がいい” って京都の友人は言ってますけど……洋菓子が安全ってことですかね、きっと!」
ちなみに編集Nも、京都在住の友人に同じ質問をしてみたそうなのですが、「気にしたことがない」と言われた模様。
3人の話を総合すると、京都に昔からあるお寺、そして元貴族にあたる方に対しては、この点を気にした方がよさそう。また一方で、それぞれのご家庭の事情にもよるでしょうが、いわゆる一般のお宅へ伺うときには、そこまで気にしなくてもいいのかも。
【結論:相手によってチョイスを変えよう!】
この話、ひょっとすると、一部の人による発言がどんどん広まって、いつしか定説のようなものになってしまったのかしら?
そんなわけなので、みなさん、京都の人へお菓子を持参する際には、基本的に細かいことは気にせずに。ただし、由緒あるお寺や神社、元貴族の方などに対しては和菓子は避けたほうが無難だということを、頭の片隅に入れておいてくださいね。
参照元:全国和菓子協会
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch