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ブリジットに2人の男が…しかもアラフォーで妊娠? 最新作『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』のドタバタから目が離せない【最新シネマ批評】

2016年10月28日

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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、ブリジット・ジョーンズの最新作『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(2016年10月29日公開)です。

2004年の『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の12か月』以来の復活で、アラフォーになったブリジットに新たな恋が! そしてなんと、元カレとの復縁話も! という、ブリジット史上初のモテ話が展開される本作。まずはサクっと物語をご紹介。

【物語】

ブリジット(レニー・ゼルウィガー)は43歳、独身。テレビ局の敏腕ディレクターとして仕事は順調だけど、私生活では、誕生日なのに“ぼっち”。元カレのマーク(コリン・ファース)は他の女性と結婚し、ダニエル(ヒュー・グラント)は飛行機の遭難事故で亡くなってしまったのです。

しかし、友人と出かけた野外フェスで素敵なアメリカ人男性ジャック(パトリック・デンプシー)と出会ったブリジット。これがきっかけでブリジットにモテ期が到来するのですが……。

【元カレとの再会に心ざわめくブリジット】

アラフォーになったブリジットですが、あいかわらずシングル。誕生日も“ぼっち”で寂しいけれど、自由を謳歌しているとも言えます。なんたって、アメリカ人男性のジャックと、フェスで出会って意気投合して結ばれちゃいますからね。「え、もう?」とちょっと驚きましたが、恋愛経験もそれなりに重ねていれば、ワンナイトな関係もありということでしょうか。

その後、元カレのマークと再会。彼の側には妻がいて、ブリジットはモヤモヤします。ここがいいです!「やっぱりまだ好きなんだ」と思わせる展開。彼女の歩き方が堅くて、両手両足一緒に出ちゃうかと思いましたよ。それだけドキドキしているということで、思いを残して別れたあとの女性心理にグっと心をつかまれます。

【ブリジットが妊娠!「この子、誰の子?」】

元カレのマークと妻の姿に軽くショックを受けていたブリジットですが、実は二人は離婚していました。元妻とは用事があって一緒だったことがわかり、またもや急展開! 彼から甘い言葉を囁かれたブリジットは大喜び。そして二人は再びいい関係に。

ところが、ブリジットは妊娠! 比較的近い時期に二人の男性と関係を持ったため、ジャックとマークのどっちの子供かわからないという事態に。そこから周囲も巻き込んでの「父親はどっち問題」と「二人に何といえばいいのか問題」へと物語は発展していくのです。

こういうことが現実に起こったら、あきれて男が離れていくパターンもありかと思うけど、私は「こんな大ピンチ、彼女はどう対処するんだろう?」と、そのことに大注目しました。

出産をする前提での対処の仕方としては、
1.二人に黙って産んでシングルマザーになる。
2.自分でどちらかを選んで、父親だと告げる。
3.何がなんでもどっちの子供かを調べて本当の父親に真実を告げる。
4.二人に真実を告げて返事を待つ。

彼女がどの方法を選び、どうやって出産に向き合うのかはネタバレになるので伏せますが、彼女らしいし、また二人の男もいいんですよね。

アメリカ人のIT実業家のジャックはスマートにエスコートしてくれるイケメン。かたや、元カレのマークはあいかわらず堅物だけど、ブリジットを見る目が愛情に満ちていて「彼もまだ好きなんじゃん!」と胸がジーンとします。

またブリジットが巻き起こす騒動に対して周囲が温かいんですよ。そう、この映画の良さは悪人が出てこないこと! 様々な騒動が起こり、どうなるの?とドキドキしたりヤキモキしたりするけど、ずっと心はほっこり温かい。だから世界中の人に愛される映画になったのでしょう。

【もう“ぼっち”じゃない?】

ブリジットはいつも誰かと愛し合うことを求め、一生ひとりで生きることが怖かったはず。男女問わず、シングルならばそんな風に思うことはあるでしょう。そしてその気持ちは、年を重ねるにつれて強まっていくものです。だから30代、40代の女性は、みんなブリジットに自分を重ね、彼女の恋愛に一緒にときめいたのです。

しかし、今回のブリジット・ジョーンズが抱えるのは、二人の男と赤ちゃん誕生に悩まされるという、贅沢な難題。もしかしたら二人の男にサヨナラを言われる可能性もあるという、これまでとは違った崖っぷちです。でも、本作でのブリジットの最大の味方はお腹の赤ちゃん。父親問題にどんな結果が出ようと「ひとりじゃないよ」と言っているようで、アラフォーになって彼女は大きな宝物を得たのです。

そして最後にもう一言。俳優陣が今回も本当に良いです。ブリジットを演じるレニーが老けた、と一時期話題になりましたが、それは自然のなりゆきです。変に若作りしていないところが逆に好感が持てます。

また、アメリカ代表のパトリック・デンプシーのスマートさ、英国代表のコリン・ファースのエレガントさ、素敵過ぎる! 理想の男ふたりに囲まれたブリジットが本当にうらやましく、ずっと「いいなあ」と羨望のまなざしで見ていました。おそらく「Pouch」読者のみなさんも、私と同じまなざしで、ブリジットを見つめることになると思いますよ。

執筆=斎藤 香(c)Pouch

『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』
(2016年10月29日より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー)
監督:シャロン・マグワイア
出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシー、ジム・ブロードベント、ジェマ・ジョーンズ、エマ・トンプソンほか
(C)Universal Studios.

▼『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』予告編

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