毎月1のつく日(1日、11日、21日だけ)は「ステキなぼっちの日」です。
Pouchでは担当ライターが体を張ってぼっちの限界に挑み、ぼっちの可能性を広げるべく、世の中のさまざまな場所でぼっちでも楽しく過ごせるかどうかを誠心誠意、検証しています!
今回挑むのは……ひとりラブホテルです。
ラブホテルといえばふつう、カップルがムフフをするために利用するもの。そんな、ラブラブカップルが2人で行くような場所に、女がひとりで行っても楽しめるのでしょうか? ガチ検証してきました。
【お城の外観を見ただけでビビる】
今回訪れたラブホテルは、目黒駅から徒歩10分の老舗「ホテル目黒エンペラー」です。
少し年配の方々に「知ってるラブホは?」と聞くとかなりの確率で名前が出てくるほどの超有名ラブホですが、公式ツイッターが「女性お一人様のご利用も可能ですのでお気軽にご利用下さいませ」とツイートしていたこともあり、ここに決めました。
目黒駅近くからみる外観は、まるで西洋のお城。THEラブホテルな外観に圧倒され、ひとりでは近づくこさえ躊躇してしまいます。しかし、目黒駅からの道中は、ずーっと急な下り坂。足が坂に負けて勝手に早歩きになり、あっという間に入り口前に到着。これはムフフな展開をためらうカップルたちのための仕掛けなのでしょうか……。
間近でみるとこのホテル、赤・青・緑・青と、照明の色が怪しく変化。遊び半分の人間を引き寄せない、独特な雰囲気が漂います。
【誰とも鉢合わせしたくないのに…!】
なにをかくそう、ラブホテルにほとんど行ったことない私。一世一代の勇気を出して、いざ入店!!
目の前に飛び込んできたのは、高級感あふれる大理石調の空間、まばゆく輝くシャンデリア、そして部屋写真がズラリと並んだタッチパネル!……と、部屋を選び中のカップル。ひぇ、鉢合わせしちゃったよ!
しかーーーし! こんなこともあろうかと私は事前に電話で部屋を予約済み。パネル前に置いてある電話をかければ、即部屋に案内されるのです。しかし……!!
「来るのが少し早いです。2階の待合室でお待ちください」との指示が。時計をみるとチェックイン予定の21時より5分早かった。カップルは手を握り合って選んだお部屋へ、私はリュックの肩紐を強く握りテクテクと待合室へ。
【店員「お連れ様はいつきますか?」】
しばらくすると「お部屋の準備ができました」と、黒ベストのスーツを着た男性スタッフが声をかけてくれました。丁寧な言葉づかいと優しい振る舞いにズキュン! ラブホのスタッフさんて高級ホテルのコンシェルジュみたい〜と、接客に感激していると……
「お連れ様はいつ来ますか?」という質問が。ひぃぃ!! ぼっちの身であることを一瞬忘れていた。「…後からきます!」と咄嗟にウソをつき、そそくさと部屋に逃げ込みました。(ちなみに部屋の鍵は客に渡されることがなく、入室時に自動的にロック。室内でのお会計のあと、ロックが解除されて部屋から出られる仕組みです)
【高級感あふれる室内で有頂天!】
部屋に到着すると、ふたり分のスリッパが出迎えてくれました。片方は誰も履かないスリッパ(白目)。
しかし、肌に刺さるキツい孤独を感じたのは、ここまで!
シャンデリアが輝く室内、リッツ・カールトンホテルと同じというキングサイズの高級ベッド、光沢感と座り心地がすばらしいソファ、えらく高級そうな調度品、充実したアメニティ、映画見放題、マッサージチェアにひとり用サウナまである!! さすが城(ホテル)の中、興奮するほどラグジュアリーです。
なのに……私が夕飯用にと買ってきたのは、値引きシールの貼られたオニギリ、お茶、酎ハイ、ポカリスエット。超素朴なものを買ってしまったよ。この環境に似合わなすぎるよ。
ルームサービスを利用しようと思ったけど、宿泊費は1万4千円(部屋代なので1人でも2人でもこの値段)。お財布と相談して今回は渋々諦めました。
【窓はないけど凄まじい解放感】
この異空間に慣れるべく、ジャグジーのお風呂に入り、高級ベッドに横になってみました。
なにこれ……私溶けちゃう。ベッドに体が溶けていくような気持ちよさや〜こんなの初めてじゃーー! 緊張感が一気に吹っ飛びました。
窓もない、天気もわからない、話し声も聞こえない、現実社会からかけ離れたこのゴージャスな空間に、化粧を落とし、ホテルが用意したちょっとダサいパジャマを着た私がたったひとりでいる。誰の目も気にしなくていいこの解放感、なんて贅沢なんだろう!
ということで、ふだん苦手なカラオケでおもいっきり歌ったり、サウナと水風呂を交互に入浴したり、クッションを抱きしめて映画をみたり、ソファでぼーっとしたり、酒を飲んだり……。
チェックインは21時、チェックアウトは15時。時間もたっぷりあるので、自分をおもいっきり解放させてワガママに過ごしました。
【ぶっちゃけエロくない】
ラブホテルは、大人のオモチャも売っているし、エロ動画も見放題です。お茶をこぼしてテッシュ箱に手を伸ばしたら、コンドームを掴んでしまい驚いたりもしたけど、正直エロくはない。エロ動画も一応みたけど「お尻にもモザイクが必要なんだー」しか感じず、エロさを感じませんでした。
【ラブホは都会の禅寺だ】
ラブホテルで過ごしていると、あることに気がつきました。ひとりラブホテルは、お寺みたいだ、と。
自分以外の存在を一切感じない空間なので、自然と己と深く向き合うことができます。頭に浮かぶあれこれに勝手に集中。深く深く考えて考えて、そして無になって……。
たとえ悩み事が浮かんでも、ゴージャスで清潔感のある空間と、部屋にただようイイ香りのおかげか、自然とポジティブ思考になってくるのです。以前、禅寺で瞑想したときと同じようのに、頭がとてもスッキリしました。
【総括:ラブホテルはお疲れぼっちの隠れ癒しスポット】
日々一生懸命生きていると、人に疲れたり、社会に疲れたり、情報に疲れたりしてしまいます。心も一緒に疲弊し、自分は何がやりたいのか、迷子になることも。
そんな時、私はひとりでラブホテルに家出したい。だって、こんなに簡単に現実社会から完全シャットダウンしてくれて、ご褒美のようなゴージャス空間で、おまけにワガママし放題。誰にも邪魔されず、自分にだけ集中できるって、とても贅沢な過ごし方なんだもの。
ホテルから出るときはスッキリ爽やかで前向きな自分になっていました。ラブホに偏見をもっていた自分を反省しつつ、今度来るときは、オニギリじゃなくて、お寿司を買って行こうと思います。もちろん、ひとりで!
・ラブホテル
孤独度:★★★★
快適度:★★★★★★★★★★★★★
エロ度:★
撮影・執筆=百村モモ (c)Pouch
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