少女漫画雑誌『りぼん』を読んで育ってきた “元・りぼんっ子” のわたしにとって、漫画家の矢沢あいさんは思い出深い存在。
初めて読んだのは『マリンブルーの風に抱かれて 』。その後は『天使なんかじゃない』にドはまりし、アニメ化された『ご近所物語 』や、実写映画化された『NANA』も夢中になって読んだ記憶があります。
体調不良のため『NANA』の休載を発表したのが、2009年のこと。それから約9年が経った2018年10月5日、矢沢さんが全イラストを手がけた本『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』(税抜き1500円)が、集英社より発売されました。
【テーマは「街から生まれたストリートファッション」】
この本は言うなれば、メンズファッションにおける、ストリートファッション&カルチャー史の決定版。
有名なデザイナーやブランドが発信源ではなく、街のギャングや不良と呼ばれる若者たちが生み育てたストリートファッションに着目した、 “ファッションの歴史” にまつわる本なんです。
矢沢作品においてファッションは欠かせない要素ですので、コレは期待度大!
【全31スタイルを掲載】
「パンクス」「B-BOY」「グランジ」「裏原キッズ」といった耳馴染みのあるジャンルも含めた、全31にもおよぶストリートスタイルが掲載されているといいます。
ナチスドイツへの反抗心から生まれたスタイル「スウィング・キッズ」に、王党派を気取った不良青年たちによる「テディ・ボーイ」。さらにはアメリカンカルチャーの出発点「ビート・ジェネレーション」と、目次にあるテーマは軒並み興味をそそるものばかり。
【著者は『smart』の元編集長です】
挿画を担当しているのは矢沢さんですが、著者はフリーライターや編集者として活躍している佐藤誠二朗(さとう せいじろう)さん。
佐藤さんは2000年から2009年にかけて男性ファッション誌『smart 』の編集長を務めていた方で、このふたりがタッグを組んでいるというだけで面白い予感しかしません~!
【矢沢さんの絵を久しぶりに見たけど…やっぱ素敵!】
映画や音楽といったカルチャーとの関連はもちろん、当時の政治や社会情勢との関わりについても、系統立てながら理路整然と分析・解説。
文章に添えられた矢沢さんのイラストは史実に忠実に再現されているそうなので、ますます理解が深まるのではないでしょうか。
メンズファッションを取り上げた1冊ですが、女性が読んでも、きっと読み応えがあるはず。久しぶりに矢沢さんの絵に触れられることですし、目を通してみるといいかもしれません。
参照元:プレスリリース、集英社
画像=(C)矢沢漫画制作所/集英社
執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼読書の秋、ファッションの歴史について学んでみよう☆