近年メジャーな言葉となりつつある「終活」。介護や医療から葬儀やお墓、遺言や相続などの整理といった、終焉=死を迎えるための準備活動のことをいいます。
まだまだ若いと思ってはいても、「終活」はいつか直面すること。特に子供の立場から考えてみたなら、ほっといていいことだとは思えなくなるのではないでしょうか。
終活関連サービスを提供する株式会社鎌倉新書が、実親(片親または両親)が存命の40歳以上の男女548名を対象に行ったのは、「親の終活に関する意識調査」。
【子供世代は「親から相談してほしい」と思っている】
「終活について親から相談してほしいと思うか」という質問に対して、「そう思う」と回答したのは30.1%、「ややそう思う」と回答したのは41.6%で、約7割を超える人たちが相談してほしいと考えていることが明らかになりました。
【理由1位は「把握しておかないと困るから」】
相談してほしい理由として挙げられていたのは、
・「把握しておかないと困るから」(79.9%)
・「できることがあれば手伝いたいから」(47.3%)
・「何を準備すればいいかわからないから(42.2%)
・「話の切り出し方がわからないから」(22.6%)
・「話をするきっかけがないから」(17.0%)
の5つ。こうしてみると8割にものぼる子ども世代が、親の終活への取り組み状況や意向について把握していないことに、漠然とした不安を抱えていることがわかります。
【現実には「行動が伴っていない」ようです】
また「親の終活に関して一緒に取り組んでおかないと困ることがある」と答えた人も9割以上いて、親の終活について知っておきたいし、サポートしたいという気持ちがあることは明白。
にもかかわらず、「実際に一緒に考えている・取り組んでいることはありますか?」という質問にNOと答えた人は、半数以上の55.6%。「思いはあるものの行動が伴っていない」という現実が、浮き彫りになっていたのでした。
【取り組んでおくべき「終活」の項目とは?】
ちなみに、親の終活において「一緒に取り組んでおかないと困るもの」の1位に挙げられていたのは、「持ち物の整理」(50.2%)。続く2位は「財産の整理」(45.3%)、3位は「お葬式」(43.4%)という結果となっていました。
一方で「一緒に取り組みたいこと」の1位に挙げられていたのは、「介護」(75.9%)。2位が「お葬式」(72.4%)、3位が「終末医療」(72.3%)となっておりまして、親の身じまいについて一緒に取り組み、本人の意思を尊重したいという気持ちがうかがえます。
【毎年遺言書を書いている友人の話】
余談ですが……わたしの40代の友人は、「なにかあったときに家族がアタフタしないように」という思いのもと、30代の頃から毎年遺言書をしたためていて、葬儀の手順から財産分与まで事細かく書いているとのこと。
大切な人が亡くなったときというのは実際やることが山積みで、悲しむ暇もないほどアレコレ決断しなければなりません。
自分の家族にはそういった苦労をしてほしくないからと、今でも毎年遺言書を更新し続ける友人を見て、自分も見習いたいと強く思ったのでした。だってこういう心遣いこそが、家族への愛そのものだと思うので……!
参照元:プレスリリース
執筆=田端あんじ (c)Pouch