ある日、「This Person Does Not Exist(この人物は存在しません)」という不穏な名前がついたウェブサイトを知りました。
アクセスしてみると、そこに表示されているのは、若い白人女性がこちらに微笑みかけてくる写真。それ意外には何もありません。
ところがもう1度アクセスし直してみると、今度は褐色の肌をした中年男性の写真が表示されていました。
そう、このサイトはアクセスするたびに、毎回表示される人物が変わるんです。
【めっちゃリアルなのに「実際には存在しない人」】
このウェブサイトに表示されるのは、1枚の画像のみ。
アクセスするたび誰かの顔が無限に出てくる仕組みとなっていてちょっぴり恐怖すら感じてしまうのですが、もっと怖いのは、名前のとおり写真の人物が実際には存在しないという事実。
え、どういうこと? 一体ぜんたい誰が、何の目的で、このようなウェブサイトを作成したの……!?
【「新しいAIを世間に広めるため」らしい】
海外サイト「The Verge」によると、「This Person Does Not Exist」を作成したのは、Uberのソフトウェアエンジニアであるフィリップ・ワン(Philip Wang)さん。
表示される肖像画は、コンピュータメーカーNVIDIAの研究者たちが開発した「StyleGAN」というAI(人工知能)を基盤に生成されているといいます。
「StyleGAN」は、ひとつの画像を別々の要素に分けて学習し、そこから新しい画像を生みだせるニューラルネットワーク。ワンさんのフェイスブックによれば、この「StyleGAN」の存在を広めようと作ったのが、このウェブサイトとのことでした。
【宣伝としては超効果的だと思います!】
なるほど、今回のような方法ならば誰でも簡単にその技術に触れることができますし、「え……なにこれなにこれ……めっちゃ怖いんですけどおおおおお」と胸がザワつくため、インパクトも抜群です。
超効果的な宣伝の仕方に、思わず感心のため息が出てしまったわ~!
ちなみにワンさん、リクエストを受けて、このウェブサイトの猫バージョン「This Cat Does Not Exist」も作ったようですよ。こちらは人間バージョンと違って怖さ控えめなので、さっそくアクセスしてみてはいかがでしょうか。
参照元:This Person Does Not Exist、This Cat Does Not Exist、facebook、The Verge
執筆=田端あんじ (c)Pouch