原作者逮捕で連載終了の『アクタージュ』作画の宇佐崎しろがツイート「被害者の重圧になることは絶対に避けるべき」

『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画『アクタージュ act-age』の作画を担当する宇佐崎しろさんが、2020年8月24日にツイッターを更新。

同作の原作者・マツキタツヤ氏が強制わいせつ容疑で逮捕されたこと。またこれに伴い連載が終了することを受けて、現在の心境を語っています。

【被害者に寄り添った言葉が胸を打つ】

宇佐崎さんがまず最初につづったのは、被害者とその家族に対する思い。

「大きなショックと恐怖の中、声を上げ、ご自身の尊厳を傷つけられたことに対する怒りを捨てなかったことは、本当に勇気ある行為だと思います」

と語った上で、性犯罪によって受けた傷は自然に癒えるものではないこと、似た身なりの人とすれ違うたび怖い思いをする可能性について触れ、

「『アクタージュ』という作品そのものを見ることによってそれらが誘発されたり、苦痛を与える原因になる可能性を考慮して、連載終了は妥当だと判断しました」

と述べています。

【被害者の重圧になることは絶対に避けるべき】

メッセージは最後まで被害者、そしてファンの心情に寄り添ったもので、読み進めるごと、宇佐崎さんの人柄が伝わってくるよう。

「道半ばで作品を終わらせることを残念に思っている」としながらも、作品への愛を間違った方向に “暴力” として向けるのは絶対にやめてほしいと呼びかけています。

今回のような、アーティストや著名人による性犯罪は残念ながら過去にも例があり、そのたびに「告発した被害者のせいで加害者やその関係者が迷惑を被った」という声が、少なからず見られたように思います。

だからこそ、関係者である宇佐崎さんが（ある意味、ご自身も被害者であるにも関わらず）これほど真摯に自身の言葉で気持ちを表明したことに、本当に胸を打たれました。

宇佐崎さんのコメントは、こう締めくくられています。

「どうかしっかり考え、様々な視点を持ち、根拠のない情報に惑わされず、何を言うべきか言わないべきか選択してください」

被害者の方の傷が1日も早く癒えること、また宇佐崎さんの今後のご活躍を、強く祈るばかりです。

参照元：Twitter @uszksr
執筆：田端あんじ (c)Pouch