2007年に最古の電子楽器「テルミン」が付録で話題になり、20万部超の大ヒットを記録した「大人の科学マガジン」。
2022年秋、付録「テルミンmini」を一部仕様変更した改訂復刻版「大人の科学マガジン BESTSELECTION 06 テルミンmini」が発売されました。
気になったので思い切って購入して、いっちょPouch読者の皆さんに曲を披露してみよう!!!
……と思っていたのですが、あることを理由に私の計画は儚く崩れてしまったので、プロの音楽家に相談。そして、本物のテルミンと比較&「テルミンmini」の可能性を探ってみることにしました。
【準備編:組み立て】
まずは「テルミンmini」を組み立てましょう。
部品が小さくて大変ですが、ドライバーなどはサイズの合うものを用意してください!
でも説明書は丁寧に書かれているし、こういった作業が不慣れな私でもなんとか組み立てられそう!
……と言いたいところなのですが、私はネジの閉め方が甘かったのか、最後まで組み立てたけど音が悪くて解体&調整してまた組み立て直すということを何回か繰り返すハメに……。
接触が少しでも悪いと音が出にくくなったり、音が小さくなってしまったり、小さな不具合が出るので組み立ては意外とシビアでした。なので、超丁寧に組み立てることをおすすめします。
約1時間の格闘の末、「テルミンmini」が完成! 小さくて可愛い〜♡
【いざ演奏してみると…】
テルミンはアンテナに手を近づけると高い音が、遠ざけると低い音が出る不思議な楽器。もちろん「テルミンmini」も同じ仕組みなので、音階を奏でて曲を演奏することもできちゃいます♪
……と言いたいところなのですが、ごく僅かに位置がずれるだけでも音が変わってしまうテルミンの演奏は初心者にはかなり難しい!!
まずは音階を練習することに。しかし、何度やっても「ドーレーぴ〜〜〜っ!」と、謎の音が出てきちゃうのです。
「ちょっと練習して簡単な曲を弾いてみようかな♪」という私の計画は、この時点で脆くも崩れ去ってしまいました……。
とはいえ、ここで諦めるわけにはいきません。なんとかして楽器に不慣れな初心者でも「テルミンmini」を楽しむ方法はないものか……困り果てた私は、プロの音楽家である関口純さんにお願いして、テルミン演奏の方法を探ってみることにしました。
【本物テルミンと比較してみた】
関口さんの音楽スタジオにお邪魔すると、プロ仕様の大きなテルミンを発見!
まずは「テルミンmini」と本物のテルミンの違いを比較してみることにしましょう。
本物のテルミンこと「moog(モーグ)」の「イーサーウェブ テルミン(Etherwave Theremin)」と比べてみると、大きさが違うのはもちろんですが、1番の違いはアンテナ!
「テルミンmini」にはピッチを変える用の細長いアンテナがついているのですが、「イーサーウェブテルミン」にはそのほかに、音量調節用のU字型のアンテナがついていました。
「テルミンmini」は、背面のアースに触れることで音を切ることはできますが、本当に微妙なタッチで音が変わるので、かなり繊細な指先の動きが必要です。
もし、音楽的な表現にもっとこだわりたいなら「ボリュームペダル」を使うことで、簡単に音量調節ができますよ。
細かい調整や演奏のしやすさ、音の深さはmoog社のテルミンが圧倒的。「テルミンmini」はテルミンの雰囲気を味わえる体験版と捉えた方がよさそうです。
【こんなこともできる!】
また関口さんに「テルミンmini」の楽しみ方を相談してみると、
「テルミンで美しくメロディを奏でるには熟練を要しますが、その “ニュアンス” を使って遊んでみるのもアリなのでは?」
とのこと。
実はこの「テルミンmini」はアンプやエフェクターとつなぐことが可能。というか、こんなテルミンの使い方ができるなんてびっくりです。
ということで、関口さんのオリジナル曲に合わせて「テルミンmini」で遊んでみました。
テルミン自体も面白い音がしますが、エフェクターをつなぐことでより面白い音になり、とっても楽しかったですよ。
音について、わかりやすいように動画でまとめてみたので、ぜひ実際の音を聞いてみて♪
【お試し版に♪】
「テルミンmini」はあくまでも簡易版のテルミンでしたが、工夫次第で「遊べる楽器」に大変身することも判明!
テルミンのお試し用に、DTMの効果音用に……と、自分なりの楽しみ方を見つけてみてくださいね。
監修/作・編曲:関口純
参考リンク:大人の科学.net
執筆・撮影:五條なつき
Photo:(c)Pouch