インスタグラムでよく見る豪華なプレゼントキャンペーンって、無欲なときに限って思いがけない当選連絡が来たりするものなんですね。2023年、まさにそのかたちで、旅のサブスク「HafH(ハフ)」の3カ月無料権に当選してしまいました。
気になっていたからこそ応募したのだし、これはさっそく試してみよう!と登録。実際に使ってみたら、このサービスに向いている人・向いていない人の明確な違いがわかってきました。
【「ハフ」ってなんじゃらほい?】
旅のサブスク「ハフ」とは、ざっくり説明すると、毎月定額を支払って「HafHコイン」を積みたて、それを使ってホテルにお得に宿泊できる……というサービスです。
獲得できるコイン数は、
・ベーシックプラン(月額2980円):80コイン
・スタンダードプラン(月額9800円):300コイン
追加でコインを購入することも可能です。
また、土日祝やハイシーズンを問わず宿泊に必要なコイン数は変わらず、キャンセル料もかかりません。また、会員継続ランクにより宿泊コイン数の割引が発生します。
私は東京近郊に住んでいるので、泊まりたいのは親戚のいる関西か北海道、取材や旅行で行く地方。東京以外のエリアのホテルをちゃんと選べる?月1万円つみたてて本当にお得?などの懸念があり、気になりつつも手が出せない状態でした。
それを3カ月=実質3万円分を無料で使わせてくれるのだから、こりゃあ体験してみない手はない!
【どうにも使いどころがない…】
で、実際に登録してみたのですが。なんと、まったく使いどころがないまま、あっという間に3カ月が経ってしまったのです……理由は大きく分けて3つ。なお、私が「ハフ」に登録し、使い始めたのは2023年の8月なので、その頃と今では少し状況が違うかもしれません。
1. 圧倒的都心
地方の宿がとても少なく、ホテルを探す機会は何度かあったのですが、行きたい日程で目的地に合致する宿をなかなか見つけられませんでした。
2.ゲストハウスが多い
必要コイン数が少ないところはほとんどがゲストハウスで、いわゆるドミトリータイプのベッドルームでした。地方で個室でお手頃で……という宿はなかなか見つかりません。良いお宿になると、1000コイン以上かかるところもあります。
3.行きたい日程で取れない
毎月毎月、「ハフ」を使って宿泊してみたい!と思ってはいたのです。が、1ヶ月先の宿を見ても次の月になっても、だいたい週末は全滅。週末も料金が変わらないのが「ハフ」の強みなのに、それを活かすチャンスがなかなか訪れてくれませんでした。
【継続する?休会する?】
最終的に3ヶ月無料でもらった900コインを使うチャンスが訪れたのは、12月でした。年末に差しかかる前に帰省したいと思い、450コイン×2人分を予約。日付と人数を入力し、部屋タイプを選んだら、コインを支払うだけで手続き完了!
このあと、予定が変更になり1度予約をキャンセルしたのですが、その際も「ハフ」上で手続きするだけですぐにコインが返還されました。一般的な予約サービスだとキャンセル料がかかったりクレジットカードの返金にタイムラグが発生したりするため、このシンプルさはかなり好印象。
しかし実は、この予約を活かすために、私は結局月額を自分で支払っています。というのも、コインを使ってホテルに宿泊するには、有料会員の継続中であることが条件だったからです。
「ハフ」には “退会” ではなく “休会” という仕組みがあり、獲得したコインを保持したまま月額課金を停止することができます。ただ、その状態でコインを使うことはできません。有料会員として更新しなければせっかくの900コインが使えなくなってしまう……というわけで、私はサブスクを継続したのでした。
【「ハフ」に向いてる?向いてない?】
「ハフ」は使いこなせる人にはすごく良いサービスだと思います。でも、ぜんぜん向いてない人もいるな、と正直感じました。私が思う向いている人/向いていない人は以下のとおり。
▼向いている人
・ゲストハウス(ドミトリータイプの寝室)に抵抗がない
・(特に平日に)地方から都心や大阪・京都に来る機会が多い
・関東住みでも自宅と職場が遠く、遅くなったら泊まってゆっくりしたい
・旅行の機会が多く、少しでもお得に泊まる手段を複数持ちたい
最後の点については、たとえば “休会しておいて「ハフ」で泊まりたい!と思ったときだけ課金して復帰、手持ちのコイン数を合算してほかのサービスよりお得に泊まる” などもできなくはない、ということです。900コインを使って2人で週末の4つ星ホテルに2泊したことを思うと、たしかに普通に泊まるよりかなりお得でした。
▼向いてない人
・個室の選択肢が多い方がいい
・(特に週末に)首都圏から地方へ行く機会が多い
・料金について結局お得なのか不安
・そもそもサブスクに抵抗がある
私は、向いてない側の人間だと思っています。が、その理由は主に住まいと行き先の兼ね合い、そしてドミトリータイプは避けたいという2点。もし地方暮らしで東京に来る機会の多い生活をしていたら、すごく活用していたかもしれません。
わたしが半年かけて使ってみた正直な感想が、これから「ハフ」を使ってみたいと思っている皆さまのお役に立つことを願っています。
ちなみに、休会しようとするとものすごーく引き止められるんですよね。どうしようかな……(実はまだサブスク継続中)。
※本記事は、2024年2月執筆時の情報です。
参考リンク:HafH
執筆・撮影:森本マリ
Photo:(c)Pouch