【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。
今回ピックアップするのは、『怪盗グルー』シリーズとして4作目となる映画『怪盗グルーのミニオン超変身』(2024年7月19日公開)です。試写で鑑賞いたしましたが、本作ではついにグルーとルーシーの間に赤ちゃんが爆誕! ミニオンが大変身など、見どころ満載ですごくおもしろかったですよ。
では、物語からいってみよう!
【物語】
悪党同盟から反悪党同盟のエージェントになったグルーと妻・ルーシーの間に赤ちゃんが誕生。そんなある日、グルーは参加した同窓会でかつてのライバル、マキシムと再会。しかし、グルーへの恨みつらみを炸裂させるマキシムはグルーに攻撃をしかけてくるのです。
家族が巻き込まれたら大変!と、グルー一家は引っ越すことに。そんな引越し先で悪党に憧れる風変わりな少女・ボビーに出会います。
いっぽう、ミニオンたちは反悪党同盟の基地に集められ、5名がスーパーパワーを手に入れるのですが……?
【グルーの赤ちゃん、グルーJr. が最っ高!】
全シリーズを観ている私ですが、今回も楽しかった! 『怪盗グルー』のシリーズはグルー VS 悪党のバトルがメインだけど、本作は+αであるグルーの赤ちゃん、グルーJr. の存在が最高なんです!
自由奔放でやりたい放題のグルーJr. をお世話をするミニオンたち。一緒に遊んだり、最新アイテムを使ってオムツを替えたり、なかなか優秀なベビーシッターで、グルーJr.との相性もバッチリなんです。
またグルーJr. はルーシーやミニオンにはなついているのに、父親のグルーにはなつかないってところもツボ。振り回されながら必死にグルーJr. に愛情を注ぐグルー。シリーズ第1作目の最初は子ども嫌いだったのに、いいパパになろうとしているなんて……なんだか、感慨深いです。
【ミニオンが大変身して大暴れ!】
グルーJr. のお世話をするときはさまざまなアイテムを駆使していて最高に笑わせ、グルー VS マキシムの戦いでは黒スーツに黒いサングラスというエージェントになるミニオン。何気にカッコつけるんですが、やっぱりコロコロの姿が可愛くて! 今回も最高にキュートです。
タイトルにもなっている「超変身」とは、スーパーパワーを手に入れた5名のミニオンのこと。
体が岩石のように強くなったり、目から光線を発射したり、手が伸びたり……。なかなか強力な武器を手に入れたのに、それらをコントロールできず失敗ばかりってところがミニオンらしくご愛嬌って感じでした。
【まるでジェットコースター映画!】
本作の素晴らしさは、これまでのシリーズの中でもテンポとスピード感が突出していることです。
再会したマキシムに命を狙われるところから始まり、グルー一家の引越し、新たな生活、悪党に憧れるボビーの登場、ミニオンたちの大変身、グルー VS マキシムの最終決戦まで、すごいスピードでポンポンと展開していくのです。
これらのエピソードの合間にミニオンたちのワチャワチャやグルーJr. の大騒動を挟んで、1秒も飽きさせずに物語を紡いでいく展開が上手い! まさにジェットコースタームービーと言っても過言ではないでしょう。
また登場人物が多いけれど、それぞれ個性が突出しており、ちゃんと見せ場があるところもいい。ゴチャゴチャでドタバタなんだけど、わかりやすくて楽しめるなんて、本当にスマートな作品なのです!
「楽しい気分になりたい!」と思ったらぜひ映画館へ。グルー一家とミニオンが94分間めいっぱい最高に楽しませてくれますよ!
執筆:斎藤 香(c)Pouch
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『怪盗グルーのミニオン超変身』(2024年7月19日より全国ロードショー)
監督:クリス・ルノー/共同監督:パトリック・デラージ
脚本:マイク・ホワイト、ケン・ダウリオ
声の出演: スティーヴ・カレル、クリステン・ウィグ、ウィル・フェレル、ピエール・コフィン、ジョーイ・キング、ソフィア・ベルガラ、スティーヴン・コルベア、ミランダ・コスグローヴ、クロエ・ファインマン、スティーヴ・クーガン、クリス・ルノー、デイナ・ゲイアー、マディソン・ポランほか
日本語版吹替キャスト:笑福亭鶴瓶、片岡愛之助、中島美嘉、山田杏奈、児玉すみれ、須藤祐実、矢島晶子、岩崎ひろし、松本梨香、三木眞一郎、小林ゆう、ならはしみき、高乃麗、木村昴