
【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足お先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選して紹介します。
今回ピックアップするのは、『プラダを着た悪魔2』(2026年5月1日/日米同時公開)です。前作『プラダを着た悪魔』が公開されたのが2006年ですからなんと20年の時を経ての続編です。試写で鑑賞したのですが、ミランダ編集長や主人公のアンディが登場すると懐かしくて。
では、物語から
【物語】
ファッション業界のアイコンかつファッション誌「ランウェイ」の編集長ミランダ(メリル・ストリープさん)はピンチに陥っていました。彼女のある発言が大炎上し、「ランウェイ」は落目と言われ、ネットメディアに力を入れても結果はいまいち。
そんな彼女の前にかつてアシスタントを務めていたアンディ(アン・ハサウェイさん)がやってきます。実は彼女、ジャーナリストとして順調なキャリアを歩んでいましたが、窮地に立たされていたのです。
【メンバー再結集に胸アツ!】
前作『プラダを着た悪魔』では、報道記者希望のアンディがひょんなことからファッション誌「ランウェイ」のアシスタントとして働くことに。鬼編集長ミランダから無理難題を押し付けられながらも、必死にこなすうちに洗練され、センスもブラッシュアップされていくまでの悪戦苦闘を描いた作品でした。
これが世界中の女性たちの共感を呼び大ヒット!
アン・ハサウェイさんだけでなく、アンディの先輩アシスタントを演じたエミリー・ブラントさんも主演級のスター俳優になりました。そして大女優のメリル・ストリープ様は鬼編集長の圧を感じさせながらも同時にユーモアが溢れる芝居でアカデミー賞主演女優賞候補になったのです。
その主要メンバーが再結集し、新たな物語を紡いでいく。もうそれだけで胸アツ!
【痛烈なセリフと強気の態度がたまらん】
しかし、時代の流れは残酷。ファッション誌「ランウェイ」は落目、ミランダの発言は大炎上という展開にびっくり。え〜、ミランダのそんな姿見たくない。
そこにやってきたのがアンディ。前作でオドオドしながらミランダに会いにきたときとは違う。しっかりキャリアを積み上げてきましたからね。とはいえミランダの愛想のなさを知っている彼女は緊張しつつも思い切って「お久しぶりです!助けに来ました」みたいなことを言いながら笑顔で登場。
しかし、そんなアンディにミランダは一言。
「誰?」
いや〜相変わらずキツイわ〜! 炎上しても鋼の心臓は変わらず。冒頭からおもしろくなりそうな予感でワクワクしましたよ。
【女たちが人生のピンチをどう切り抜けるか】
社会人経験が浅いヒロインが厳しい現実に揉まれて成長していく姿を描いたのが前作。そして本作はすでにキャリアを築いたヒロインが回り道をしながらもポリシーを貫く姿を描いていると思いました。
アンディはファッション誌でキャリアを積みましたが、「ランウェイ」を辞めたあとは、本来の目標だった報道記者の道を突き進んでいました。そして「ランウェイ」に復帰しても、彼女は社会問題を追求していく記者の自分を貫こうとします。
「そんな記事、うちの読者は読まないわよ」とミランダに言われても負けないのです。そして彼女の地道な努力が……。
この先はネタバレになるので伏せますが、本作は個人的にいろいろな学びがありました。流行りに乗るのも一考ですが、そればかり追いかけていると自分の道を見失ってしまうかもしれない、とか考えちゃいましたよ。
【エミリーとナイジェルも】
それからエミリー(エミリー・ブラントさん)もよかった。虚勢を張りまくり、自分の弱さを隠してきたエミリーが帰ってきました。男は金持ちに限るという選び方も贅沢な生活で自信のなさを補っているのかなと。
彼女も「ランウェイ」を去ってラグジュアリーブランドの幹部になり、成功したように見えるけど、意外と中身は変わっていないんですよね。
「エミリーってこういう女性だったよね」と懐かしく思い出させてくれたエミリー・ブラントさん。『プラダを着た悪魔』は彼女の出世作。エミリーを大切に演じていて愛を感じました。
もうひとり忘れちゃいけないのが「ランウェイ」のアートディレクターのナイジェル(スタンリー・トゥッチさん)。本作でもアンディの相談役としてしっかりサポートしてくれて安心感は絶大です。やさしいだけじゃない。ちゃんと厳しい言葉で気づきも与えてくれるし、職場にナイジェルがいたら、みんな頼っちゃうだろうな〜!
前作を思い出しながら、懐かしさと同時に女性たちが悩み苦しみながらも生き抜くパワーが感じられて元気をもらいました。そうそうレディー・ガガの歌唱シーンがあったり、そのほかにも「お!」と驚くスターのカメオ出演も……!
ぜひ劇場へ、アンディ、ミランダ、エミリー、ナイジェルに会いに行ってくださいね。
執筆:斎藤 香(c)Pouch
『プラダを着た悪魔2』
2026年5月1日(金)より全国ロードショー(日米同時公開)
監督:デヴィッド・フランケル
脚本: アライン・ブロッシュ・マッケンナ
出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、トレイシー・トムズ、ティボー・フェルドマン、ケネス・ブラナー、シモーヌ・アシュリー、ジャスティン・セロー、ルーシー・リュー、パトリック・ブラモール、ケイレブ・ヒーロン、ヘレン・J・シェン、ポーリーン・シャラメ、B・J・ノヴァク、コンラッド・リカモラ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved