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MEGUMIプロデュースで話題の映画『FUJIKO』昭和の理不尽な逆境を生き抜くシングルマザーの生き様を今、ぜひ現代を生きる大人たちに観てほしい

55分前

【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が拝見した最新映画の中から、おすすめ作品をひとつ厳選して紹介します。

今回ピックアップするのは、MEGUMIさんが企画・プロデュースをした映画『FUJIKO』(2026年6月5日公開)です。1970年代を舞台にしたシングルマザーの奮闘記! めちゃくちゃ面白かったのでご紹介したいと思います。

では、物語からいってみましょう。

【物語】

1977年の静岡。娘の麻理を出産した富士子(片山友希さん)でしたが、姑(YOUさん)と義姉から理不尽な扱いを受け、実家の母(岸本加世子さん)も巻き込んで大げんかに発展。

結果、離婚することになりますが、娘の麻理を姑に奪われてしまいます。しかし、富士子は娘を取り戻し、シングルマザーとして生き抜くと決心。人生の荒波に自ら突っ込んでいくのです!

【離婚やシングルマザーが許されなかった時代】

1977年と言えば昭和52年。まだこの頃は「離婚なんてみっともない」と親に嘆かれ、シングルマザーなんて言葉もなく「母子家庭」と言われ、ひとりでがんばって子どもを育てていても肩身の狭い思いをしなければいけなかったのです。そんな時代にシングルマザーとして生きる決心をした富士子。

冒頭、姑と義姉から「家事も育児もしながら仕事もしろ!」と迫られ、「まだ麻理は赤ちゃんだから」と言っても「それが嫁のつとめだ!」と怒鳴られ、夫は全然助けてくれず……という、とんでもない状況なんですよ。

結果、娘を奪われてしまい富士子は絶望するのですが、ウーマンリブ活動を見学したとき、女性たちの闘う姿に感化され「麻理を取り戻す!」と宣言。娘の奪還に成功し、ここから富士子の自立への道がスタートします。

【行動あるのみ! 動き続ける勇気】

富士子は、どちらかといえば流されながら生きてきたような女性。最初のほうなんて、理不尽な扱いにとまどいつつも言いなりでしたから。でも、娘を取り戻してからは人が変わったようにアグレッシブになります。

仕事を得るためにひたすら足を使って保育園探しをし、古い部屋を提供してくれた喫茶店のママ(MEGUMIさん)の店でバイトしながら、新しい職探し。その姿は常に必死なんです。

でも悲壮感はなく、いつの間にか「がんばれ」とエールを送りたくなってしまう

それは富士子が愚痴ったり、不運を人のせいにしたりせず、トラブルに巻き込まれても、失敗しても、常に前を向いていたからだと思います。そして人に助けてもらったら感謝を忘れない。そんな人柄が運を引き寄せたんだな〜と。

【木村監督のお母さんの実話】

本作は、木村太一監督のお母さんの実話がベースになっています。

登場人物たちの心情を大切にしながらもユーモアも忘れず、軽快に、母のたくましさをテンポよく映し出しているため、まったく重くない。だから「私もがんばる!」という明るい気持ちになれるのかも。

富士子の人生は逆境に次ぐ逆境ですが、壁をぶち破るだけでなく、横からすり抜けるチャッカリ感もあるところもいい。

日本とイギリスを拠点にMVやCM制作で活躍してきた木村監督ならではのセンスが演出やヴィジュアルに表れていて、感情を揺さぶられつつ、とても楽しいんです。

【主演の片山友希さんが最高のパフォーマンス】

富士子を演じる片山友希さんは、嫁姑問題で振り回されるなど苦労している場面ではスッピンに近く、髪を振り乱して、ずっと困った顔をしているのですが、娘を取り戻すと決心してからは、表情が生き生きと変化していきます。片山さんは完全に富士子を生き抜いていましたね、すごい!

まだ男尊女卑が根強かった時代。男性たちの上から目線の言葉や態度、シングルマザーに対する近所の人々の心無い態度なども描かれ、今の時代とは比べ物にならないほど女性たちはしんどかっただろうな、と。

そんな時代を生き抜いた富士子の生き様、ぜひ現代を生きる女性たちに観てほしい! 元気とやる気をもらえる作品ですよ。

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:© 2026 FUJIKO Film Partners

FUJIKO

2026年6月5日(金)より全国ロードショー
原案・監督:木村太一
企画・プロデュース:MEGUMI
脚本:我人祥太、國吉咲貴
出演:片山友希 渡辺友那 寺田楓 諏訪珠理 橋本淳 MEGUMI 馬場園梓 瀬戸さおり ミズモトカナコ 成松修 関口アナン YOU リリー・フランキー うじきつよし 竹下景子 イッセー尾形 岸本加世子

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