埼玉県を中心にチェーン展開する喫茶店「珈琲屋OB」。聞くところによると、この店ではほとんどの飲み物が規格外に大きな容器で出されるとか。そんな噂を我が目・我が腹で確かめるべく「珈琲屋OB 新百合ヶ丘店」へ行ってきました。
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お店は山小屋のようなウッド調の空間でのんびりとした時間が流れています。
メニューにあるのは喫茶店の定番「ぶれんど」や「あめりかん」(ともに税込300円)をはじめ、各種「すかっしゅ」(各580円)までその数40種類を超えます。裏面にはゼリー類やパフェ類もびっしり。
◆この容器、あのペットを飼うときのアレですよね?
「あいすてぃ(税込580円)」を注文後、3分もたたないうちにヤツが運ばれてきました。
……って、これ金魚鉢ですよね? 違うとは言わせない、どこからどう見ても立派な金魚鉢だお前は。筆者の顔より大きいところを見ると、金魚の2匹や3匹……いや、ハムスターだって飼えるかもしれない。
中にはたっぷりのアイスティとそれに負けじとこれまたたっぷりの氷。片手で持つと腕がぷるぷるするほどです。もともとはサービス心で始めたところ好評だったためこのサイズが定番になったそうですが、多くの人が飲み切れずにリタイアしたり、中には怒り出す人もいるのだとか。黙っていただいておけばよいのに。
350ミリリットルのペットボトルやスマートフォンと比べても、その大きさは一目瞭然です。店員さんさえ正確な量を把握していないそうですが、580円というお値段にはまったく釣り合わないお得モンスターであることには間違いありません。
(金魚鉢に比べて)小さめのグラスに入ったお冷で心を落ち着かせようとしたところ……あぶないあぶない、シロップでした。あやうく戦いの前に灰になるところだった。
なるほど、サラダの取り分けで使うコイツはどうやらシロップを混ぜるためのマドラーのようです。
◆飲んでも飲んでも減らない
最初に言っておくと、飲んでも飲んでも減らないだなんて、仮にも理系の学部に行っておいてそんな非科学的なこと言いたくありませんけどね。いや本当に減らないんだって、コレ。飲み始めたのが午後7時頃。スタートダッシュが肝心よ、とバキュームと化した筆者に最初の「ウップ」が来たのが午後7時10分。
増えているとは言わないけれど、順調に減っているとは到底言えません。今思えば、氷。コイツが厄介でした。氷っちゅうやつは非情なやつでしてね、こちらの気も知らずに溶けやがるわけです。というわけで、同店で冷たい飲み物に挑戦される方はそれなりの覚悟をば。かなりの長期戦になります。
「まだ減らない……」「まだ減らない……」とぼやきつつ、2回3回と「ウップ」を迎え気がつけば時刻は午後8時。ついにその時がきました。
完・飲。お腹は今にもはちきれんばかり、口を開こうものならアイスティをうっかりマーライオンしそうですが、580円でこれだけの量のアイスティを飲めるなんて大満足です。まぁ、今だから言えるのだけど。
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お値段の2倍も3倍もの量を楽しめる「珈琲屋OB」。長丁場になりそうな打ち合わせや別れ話の機会にいかがですか。
【珈琲屋OB】公式サイト
執筆・撮影=井上こん(c)Pouch