麻布に描かれた独立画像としては現存最古の彩色画、「国宝 吉祥天女像(こくほう きちじょうてんにょぞう)」。奈良時代に描かれた同作は、福徳豊穣の守護神として崇敬されており、この吉祥天女の前で年中の罪業(ざいごう)を懺悔し除災招福を祈る、いわゆる「吉祥悔過(きちじょうけか)」の本尊です。
毎年1月1日から15日までの期間中のみ、奈良県にある薬師寺で出会うことができる「国宝 吉祥天女像」が、4月24日(金)から6月21日(日)の52日間、宮城県仙台市博物館に舞い降ります!
【吉祥天女像がぬりえに……!】
東日本大震災復興祈念特別展「国宝 吉祥天女が舞い降りた! -奈良 薬師寺 未来への祈り-」は、震災からの復興を祈り開催されている、注目の展覧会。巡回展ではないという点でも貴重な同展、その公式サイトをのぞいてみると、なんと吉祥天女像のぬりえが!
【デザイナーになった気分で衣装をデザインしちゃおう】
「あなたは今をときめくファッションデザイナー。奈良・薬師寺の吉祥天女さまから、新しい衣装の注文が入りました」
【元々の絵を見れば「なぜこのような企画が生まれたのか」わかります】
こんな記載が目を惹く「着せ替え天女 ぬりえコレクション」にはさっそく、色とりどりのお洋服がずらり、勢揃いしております。「でもこんなに国宝をイジッちゃっていいのかしら……」と思ったあなた、いいんです!(いいのかな?) というのも、本家・吉祥天女像をよ~く見てください……柄×柄×柄、そしてさらに柄、と柄推しコーディネートをしている点にお気づきでしょうか。
【大人による応募が多い模様】
柄×柄くらいならまだしも、そこへ3つも4つも柄を重ねてくるアバンギャルドっぷりを見れば、吉祥天女像がいかに柄モノを愛しているか、おわかりいただけるはず。そんな彼女ですから、この企画も、きっと(たぶん)喜んでくれているに違いありません。
そして応募している方に大人が多い点、加えて応募されたデザイン画のラインナップが揃いも揃って「攻め」である点もまた、興味深いっ。
【影響をおよぼしているのはおそらく「その天女、柄マニアにつき」】
この流れはおそらく、現在NHK Eテレにて放送中の番組「びじゅチューン!」の影響に違いありません。というのも、柄ON柄の高度な着こなしで、仲間たちにも柄もの衣装をプレゼント。とどまるところを知らない柄マニア・吉祥天女を歌にした「その天女、柄マニアにつき」には、ぬりえのモデルとなった吉祥天女が登場しているのですよ。
【制作者の井上涼さんは今大注目の映像作家】
なお同作を手掛けた映像作家の井上涼さんは、以前当サイトでもご紹介した作品「鳥獣戯画ジム」、さらにはUHA味覚糖「ぷっちょ」のCM「サラ髪ぷっちょ」をも制作された、注目のクリエイター。クセになる歌詞とメロディー、イラストは、1度観たら忘れられないインパクトに満ち、じわじわとその魅力から離れられなくなること必須なの。
【さっそく応募してみよう!】
ぬりえ用紙は、公式サイトからダウンロード可。郵送の場合は5月29日(金)まで、持参する場合は6月21日(日)まで応募を受け付け。ちなみに水彩・水墨・CG画・雑誌や色紙などでの切り絵など手法は問わず、なんでも受け付けてくれるそうなので、さっそくトライしてみてはいかがでしょうか。
参照元: 国宝 吉祥天女が舞い降りた! -奈良 薬師寺 未来への祈り- 、YouTube
執筆=田端あんじ (c)Pouch
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