Pouch[ポーチ]

砂糖の代わりにみりんを使った「みりんプリン」作ってみたよ / まさかの「どこのお店の?」と聞かれるほどの仕上がりに

2015年6月23日

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突然ですが、みなさん、「みりん」を使うときはどんなときですか? おそらくほとんどの方が「煮物」のときに使うと答えるはず。記者(私)も、みりんは煮魚や煮物のときにしか使いません。

しかし最近、三州三河みりん醸造元の角谷文治郎商店さんが、「Facebookにみりんを使ったスイーツを発表している」との情報を入手。その名も「みりんプリン」。名前からして、とてもビミョーな気がするレシピなのだ! 「砂糖代わりにみりんを使ったプリンなんて……」とざわつくPouch編集部。

そこで本日は「みりんプリン」が本当においしいのか、作って検証してみることにしました!

【予想「手作りのプリンなんて、どうせ茶碗蒸し」】

実は私は、以前に何度かプリンを手作りしたのですが、毎回毎回ものすごくまずかったという個人的な経験がありまして。それ以来、プリンはアンチ手作り派なのです。

その記憶のせいなのか、手作りのプリンといえば、全くおいしくないイメージ。しかも「みりん」なんて、いかにも “和” の素材を使ったプリンは、絶対に茶碗蒸しになっちゃうんだろうなぁ。

【「煮切る」なんて聞いたことない】

ということで、さっそく作っていきます。

申し訳ないのですが「三州三河みりん」ではなく、我が家にあった「マンジョウ」の本みりんで代用します。

1 みりん1カップは煮切ってから半量になるまで煮詰め、冷ましておく。

「煮切る?」とさっそく呆然とする私。そんな言葉聞いたことがないぞ。グーグル先生に聞いてみると、大量にみりんやお酒を使うときに火にかけてアルコール分を飛ばすことを「煮切る」というんだそう。

電子レンジでもできるそうですが、煮切ってからそのまま半量まで煮詰めるので、今回は鍋でやりました。

【煮詰めたみりん先輩が旨すぎる】

焦げないように注意しながら煮詰めていくと、できあがったのは、ツヤツヤでこっくりとした琥珀色の液体。
なんと、みりんのアルコールを飛ばすと、水飴やハチミツみたいになるのでした。

少しだけ舐めてみると、ほんのりお米の香りが残りつつもちょっぴり香ばしくて甘〜い。ちょ、ちょっと、みりん先輩ったら、砂糖さんなんかよりもおいしいんじゃないですか!?

この「みりんシロップ」、コーヒーに入れてもかき氷にかけてもおいしそう! しかし、分量を守るためにここはぐっと我慢。あとで家にあるみりんをすべて煮切ってやるぞ!

【そのあとは普通にプリンを作る】

さて、あとは普通のプリンのように作っていきます。卵を割りほぐし、煮切ったみりんを少しずつ入れて、さらに温めておいた牛乳と、バニラエッセンスを少々。耐熱のガラスの容器に入れて、熱湯をはった天板にのせ、140度で25〜30分焼いていきます。

【「みりん+しょうゆ」の特製カラメルソース】


プリンを焼いているあいだ、カラメルソースを作ります。材料は「みりん大さじ1、しょうゆ小さじ1、水小さじ2」……って、しょうゆ? 「うげー、まさかのしょうゆ……」とため息をつきながら混ぜると、色はまさしくカラメルソース。いい感じじゃん! このあと、水溶き片栗粉で少々のとろみをつけて、カラメルソースの出来上がりです。

【いざ実食! ここで致命的ミスが発覚】

プリンが焼きあがり、粗熱をとったあとにさらに冷蔵庫で冷やします。そして味見をせずに、しょうゆカラメルソースを豪快にかけ、いざ実食!

と、ここで思い出してしまいました! しょうゆカラメルソースには煮切っていないみりんをそのまま使ってしまったのです! よく考えたら、このみりんも煮切ったものを使わなくてはいけなかったみたい。

そのせいなのか、「ジャパニーズ・アマジョッパイ・テイスト」になるはずの特製しょうゆカラメルソースが全然おいしくなく、ただのしょっぱい液体に!

【プリン本体のお味は?】

やむを得ず、しょうゆカラメルソースを全部取り除いてから、あらためてプリンを食べてみると……これはこれはうんまあああい! 材料に砂糖などの固形物を使用していないからなのか、とってもなめらかな舌触りでトロトロ。ほんのりではなく、しっかりと甘さがありました。

一言でいうと、「手作り感のないプリン」。このプリンを何も知らない人に食べさせたら、「このプリンどこのお店の?」と聞かれるでしょう。それくらい、プロっぽい味になったのです。

気になっていた茶碗蒸し感はゼロです。もちろん、みりんといえど和風感もゼロ。王道のおいしいプリンの味でした。

もしかしたら、ケーキ屋さんのプリンも砂糖ではなく「煮切ったみりん」を使っているところがあるのではないかとさえ、思うほど。

【みりんのポテンシャルに驚かされた】


ところで、この煮切ったみりん、いわゆる「みりんシロップ」は、カナダでいうメープルシロップ並みに、もっと日本で評価されるべき! 煮切って煮詰めても今回使った分量(1カップ)だったら10分程度だし、お鍋ひとつと、かき混ぜるツールさえあればできるので、さほどの面倒くささを感じないくらいのもの。今回のプリンだけではなく、砂糖がないときの緊急手段としても、みりんは活用できそうです。

「みりんプリン」について、くわしくは角谷文治郎商店・公式Facebookに公開されている「3月のレシピ☆みりんのプリン」をご覧ください。こちらのレシピの分量だと、モロゾフの小さいプリンカップに4つできあがりました。おやつを手作りしたいとき、ぜひ参考にしてみてください!

参照元:三州三河みりん 角谷文治郎商店Facebook/3月のレシピ☆みりんのプリン
料理・撮影・執筆=黒猫葵 (c)Pouch
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

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