「もう1人の自分」や「無二の親友」といった意味を持つ英単語、「Alter Ego(オルター・エゴ)」。コレと全く同じ名前が付いたウェアラブルデバイスを開発したのは、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究チームです。
「オルター・エゴ」は、実際に声を発することなく頭の中で思っただけで、コンピュータと “コミュニケーションが取れる” システム。周囲にいる誰にも気づかれることなく、アプリを操作したりすることができるというのです。
……なにそれ、超未来じゃん!
【とにかく「念じればいい」のです】
「オルター・エゴ」のスゴさは、YouTubeに公開されている動画を観れば一目瞭然。
たとえばテレビ画面に表示された番組の中からどれか1つを選ぶときは、「下、右、決定」と、頭の中で念じるだけでOK。
また頭の中で「今何時?」と聞けばスグに「午前10時43分です」と返してくれるし、囲碁の対局で次に打つべき手も教えてくれる。さらに買い物をするときには、品物の値段を頭に思い浮かべていけば、あっという間に合計金額をはじき出してくれるんですよ。
【神経筋信号をキャッチ&単語に変換】
左右どちらか片方の耳からアゴにかけて装着するウェアラブルデバイスは、一見すると普通のイヤホンにしか見えません。
ところが実際は、想像を超える働きをしているからスゴイ! なんと装置内にある電極がアゴや顔の神経筋信号をピックアップすることで、音声認識を行っているというのです。
このときキャッチされる信号は、独自の機械学習システムを通して単語へと変換されるそう。
またウェアラブルデバイスには骨伝導イヤホンが内蔵されていて、顔の骨を通じて情報を内耳に伝達してくれます。これによってユーザーは聴覚を妨げられることなくシステムと会話することができるみたいなんです。
【これ完全にエスパーやん】
「Hey、Siri」や「OK, Google」のように、いまはAIアシスタントに指示を出すときは実際に会話をしなければいけないけれど、「オルター・エゴ」が実現したら心で念じるだけで済みます。これってつまりは、SF映画や漫画によく出てくる “テレパシー” とおんなじ!
思い浮かべるだけなので、体が不自由な人、またはさまざまな理由で声が出せないという人にとっても、非常に重宝しそうなシステムですね。
参照元:YouTube、MIT Media Lab、MIT News
執筆=田端あんじ (c)Pouch