
銃の所持は原則として禁止されている日本。
もしも「銃があたりまえ」の世の中になったら? 街はいまだかつてないほど物騒になり、肩がぶつかっただけで銃で反撃される、なんて事態も起こってしまうかもしれません。
今回ご紹介するのはそんな「もしも」をリアルに描いたお話。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix韓国ドラマ『トリガー』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
とある男の自殺現場に臨場したイ・ド巡査は、天井裏から大量の銃弾を発見。日本と同じく韓国でも一般人が銃を所持することは違法です。それなのに、この銃弾はいったいどこから持ち出されたのか───。
いっぽうそのころ、多くの受験生が暮らす寮では怖ろしい事件が発生していました。寮生のひとりが銃を持ち出し、住人たちを次々と襲い殺していったのです。
どうやらこの銃は、自殺した男の部屋で発見された銃弾と関係があるみたい。そう確信したイ・ド巡査は独自に調査に乗り出すのですが……?
【ココが魅力!】
<その1:実際に起こるかもしれない恐怖>
本作の舞台は「銃が違法に流通するようになった韓国」です。これって、日本にも置き換えられるストーリーだと思いませんか。
現代日本においても、社会に不満を抱えている人が物騒な事件を起こすことがあります。仮に、銃が簡単に手に入るようになったとしたら、ナイフではなく銃が使用される可能性も否めません。
本作ではそうした過程をとてもリアルに描いています。この物語はまさしく「明日起こるかもしれない恐怖」なのです。
<その2:「罪には罪で」は許されるのか>
ところで、銃はなぜ流通したのでしょう?
受験に何度も失敗しているうえに、寮でもしいたげられてきた浪人生。息子の死を会社の社長に抗議していた母親。クラスメイトから執拗にいじめられている少年……と、なにかしら事情を抱え、銃で殺してしまいたいほど憎い相手がいる人のもとに届けられているようです。
だからって銃を使う理由にはならないのですが、気持ちは痛いほどわかる。「罪には罪で」という考え方は果たして許されるのか。
おそらくあなたも本作を鑑賞しているあいだ何度も何度も、そうした葛藤に悩まされることになるでしょう。
<その3:キム・ナムギル沼の住人になります>
本作の主人公であるイ・ド巡査を演じているのは、韓国の名優キム・ナムギルさん。
イ・ドは正義感あふれる誠実な男ですが「過去のトラウマから抜け出せずひとりで苦しみ続けている」といった側面も持ち合わせています。そうした苦しみから生まれる「影」のようなものを、ナムギルさんはとても繊細に表現しているのよ……!!
以前ご紹介した作品『アイランド』では色気むんむんの役柄を演じていたけれど、今回の役もまた “当たり役” すぎます。
当たり役ゆえに、本作がきっかけとなって “キム・ナムギル沼” の住人になる人も続出しているようです。Netflixにはナムギルさんの作品がたくさんあるので、本作鑑賞後にハシゴするのも超おすすめ!
【謎の男「ムン・ベク」もいいぞ】
ちなみに、本作にはもうひとりのキーパーソンがいます。
それは、イ・ド巡査のまえに突然現れた謎めいた男「ムン・ベク」。彼は味方なのか、それとも敵なのか。よくわからないままイ・ドはバディを組むことになるのですが、このふたりのケミ(=お似合い、相性がいい組み合わせ)が良すぎるんですわ。
ムン・ベクを演じているキム・ヨングァンさんも実力派イケメン俳優の代表格。ワイルドなふるまい×愛嬌たっぷりの笑顔に心を射抜かれてしまうことでしょう。
1話あたり37分~61分×全10話で構成されている本作。週末2日間あればサクッと完走できちゃいますよ~!
■今回ご紹介した作品
『トリガー』(原題:트리거)
2025年7月25日からNetflixで独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Son Ik-chung/Netflix © 2025