
急速に世の中の価値観が変化していっている昨今。それでも、女性が社会において冷遇されがちな風潮は変わらず続いているように思えます。
ひょっとしたら「むしろ女性のほうが優遇されている」と感じている男性もいるかもしれません。でもね、いっぺん「女性」になってみれば、それまで見えなかった世界が見えてくるはず。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix映画『レディース・ファースト?!』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
大手広告会社で働くダミアンはいわゆる “成功者” 。地位も名誉も女も手に入れて人生を謳歌していました。
ダミアンは魅力的ですが、傲慢かつ女性蔑視なところがあります。夜のお相手としての女性は尊重しても、一緒に働いている女性に対する態度はひどいもの。
ある日のこと、大切な取引相手に「ご時世上、女性の重役がいない会社とは取引できない」と言われたことで、勤続20年の女性社員アレックスを昇進させたものの、ダミアンは彼女を「ただのお飾り」として扱ったのです。
怒ったアレックスは会社を飛び出します。ダミアンはアレックスを追いかけますが、なんと電柱に頭を強打! しかも目を覚ましたら、そこは「男女の立場が逆転したパラレルワールド」だったのです。
【ココが見どころ!】
<その1:家父長制ならぬ家母長制!? すべてがあべこべな世界>
パラレルワールドでは女性が権力を持っているため、会社のトップは全員女性ですし、男性蔑視は日常茶飯事。仕事もかねて夜遅くまで飲み歩き、家のことは男性まかせ。
いっぽう男性はというと……女性に「性的な目」でしか見てもらえないうえに、職場では話も聞いてもらえない。おまけに、家事や育児をすべて担わされていました。ふむ、この感じ、なんだか既視感あるような……。
<その2:男性を女性に置き換えることで見えてくる現実>
なにもかもがあべこべな「男女逆転パラレルワールド」。この世界を見ていると、女性が男性のように振る舞うことで、その行為自体がよりグロテスクに見えてくることに気がつきます。
これまでの歴史のなかで、女性の多くは性的な目で見られ、仕事では冷遇されてきました。それに、女性なんだから身だしなみに気をつけるよう言われたり、脱毛をすすめられることも多々あります。
長らくそういう扱いを受けていると、あまり気づかないけれど、いざ男性が同じ目に遭っているところを見ると……あまりにひどすぎて言葉を失うというか。本作はコメディですが、社会風刺的な作品でもあるのです。
<その3:実はリメイク版です>
本作は2026年に配信されたばかりの新作ですが、実は2018年にNetflixで配信されたフランス映画『軽い男じゃないのよ』のリメイク版でもあるんです。
フランス版のほうは、フランスらしく(?)どこか洒落ているし、ジェンダー問題をより深く掘り下げている印象もあります。いずれもNetflixで鑑賞できるので見比べてみるとおもしろいかも!
【ランキングでも健闘してます】
ジェンダー問題に焦点を当てつつも、気軽にさくっと鑑賞できる “カウチポテト” な作品でもある本作。SNSなどでじわじわ話題になっているようで、映画ランキングではTOP10入りも果たしています。
海外コメディ作品でありがちな、少々お下品な描写も出てきますが(笑)、いまという時代を感じさせてくれる1本ともいえましょう。家族と観ると気まずくなっちゃうかもしれないので、ひとり、もしくは友達と鑑賞するのがおすすめ!
■今回紹介した作品
『レディース・ファースト?!』(原題:Ladies First)
2026年5月22日よりNetflixで独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Rob Youngson/Netflix © 2026.