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年末年始に超話題になったNetflix映画『雪山の絆』生死をかけた2時間25分は実話に基づいた作品でした【カウチポテトのお供】

2024年1月26日

2023年の年末から2024年の年始にかけて、SNSを中心に話題になった1本の映画があります。

舞台は雪山。暖を取る場所も、食糧もない過酷な地で、究極のサバイバルが幕を開けるーーー。映画好きが軒並み大絶賛していた作品の魅力に迫ります。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix映画『雪山の絆』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

1972年のある日、ウルグアイの大学ラグビーチームのメンバーは、チャーター機でチリに遠征へ行くことに。海外に行くということもあり、誰もが浮足立っていました。

ラグビー部の友人に「卒業して別々の人生を歩む前に一緒に旅行したい」と懇願された大学生のヌマは、チャーター機に乗ることを決意します。そして訪れた出発の日、彼らを乗せたチャーター機は、チリに向かう飛行中にアンデス山脈中心部の氷河に墜落。

果たして、彼らの運命は……?

【ココが見どころ!】

<その1:実話に基づいた作品です>

見渡すかぎり雪と山しかない場所で遭難してしまった乗客たち。どんなに叫んでも喚いても、救助が来る気配がありません。

それでも、生きなければ。ケガをしている人もいれば、命を落とした人もいる。心が折れそうになりながらも、彼らは生きて帰るための道を模索し始めます。

フィクションにも思える過酷すぎるストーリーは、なんと実話。1970年代に起きた遭難事故から生還した人物による著書を元に描いており、1993年には『生きてこそ』というタイトルで実写映画化されています。

<その2:想像を絶するリアルな描写>

本作に出てくるシーンはすべてがリアル。私は飛行機が落下した瞬間の、阿鼻叫喚の地獄絵図を見て思わず目をそらしました。

しかし、本当にキツいのはここから。

いちるの望みをかけて救助を待っていたけれど、捜索は打ち切られてしまったよう。生きるためには食べなければいけない、でも食糧は底を尽きているーーー。その後、やむを得なく彼らが選んだ行動を誰が責められるでしょうか。

また、ようやく平穏を取り戻したかのように見えても、一難去って、また一難といった状況が続きます。物語の前半は辛い描写が続くので、できれば心に余裕があるときに鑑賞するのをおすすめします。

<その3:ヒーローしかいなかった>

乗客たちの命をつないだのは「チームワーク」。光りが見えない絶望の中でも、誰もがみんなのために自分ができることに取り組みました。

リーダーシップをとる者、機械の修理が得意な者、状況を冷静に判断できる者と足腰の強い者。誰もやりたくない仕事を、自ら買って出る者もいます。みんながみんな、ヒーローそのものでした。

こうした事態に陥った場合、ひとつ選択を間違うだけで命取りにつながると思うんです。彼らが団結することを選んだからこそ、最後に希望が見えたのかもしれません。

【そう来たか…な展開も】

2時間25分におよぶ本作。すべて観終わったとき、体中に入っていた力が抜けて、どっと疲れが出てしまいました。

それくらい、本作を鑑賞するには精神的な体力が要ります。そして同時に、もしも自分があの場所にいて共に遭難していたら、みんなのためになにができるだろうかと自問自答することでしょう。

また本作には、意外な展開も盛り込まれています。

キーパーソンは、友人に誘われて旅行を決断した「ヌマ」というキャラクターです。本作の語り部でもある彼、その動向に注目してみて。

■今回紹介した作品

Netflix『雪山の絆』(原題:La sociedad de la nieve)
Netflix配信日:2024年1月4日
劇場公開:2023年12月22日一部劇場にて映画公開
制作国:スペイン

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch

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