人は、自分の日記帳でも嘘をつくもの。
些細な嘘を現実にしたくて、頑張って、でもつかめなくて、また嘘を重ねる。けれど嘘は嘘でしかない。すべてが白日のもとにさらされる日は、すぐそこまで迫っていたーーー。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、韓国ドラマ『アンナ』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
貧しい家に生まれながらも、幼いころから賢くて虚栄心が強かったユミ。人一倍の欲があり、それを隠そうともしないユミを、父親はひそかに案じていました。
持ち前の負けず嫌いの精神で、ユミはピンチをチャンスに変えていきますが、高校3年生のときに “ある事件” が起こります。
人生がうまくいかなくなったユミを救ったのは「些細な嘘」でした。それからというもの、欲しいものを手に入れるために嘘を重ねていき、ついには「別の人物」として生き始めるのです。
【ココが見どころ!】
<その1:衝撃のファーストシーン>
本作を始めて鑑賞したとき、第1話の冒頭シーンに驚き、目を奪われてしまいました。
なぜなら、いきなり衝突事故が起こり、車が燃え始めたから。しかも、車に火を放ったのは主人公・ユミ。持っていたカバンや、誰かのものと思われるパスポートまで全てを燃やしてしまったのです。
なぜ事故は起きたのか、そもそも事故に至るまで何があったのかーーー。このシーンに出てくる様々なものをヒントに、物語の行く末を推理しながら最後を見届けて。
<その2:全6話とは思えない濃密なストーリー>
本作は1話あたり約50分×全6話と、韓ドラとしては非常にコンパクトですが、内容はものすご〜〜〜く濃密!
まずですね、やや長めの1時間3分で構成された第1話だけで、主人公・ユミが「ユミ」としての人生を終わらせてしまうんですよ。
第2話からは「アンナ」としての人生が幕を開けます。
全てが輝いて見えるこの人生、報われなかった「ユミ」時代から脱却したように思えたけれど……結局すべては虚構。そして幸せを手に入れることは、ひと筋縄ではいかない。
様々な出来事が降りかかるストーリー展開によって、全6話だったとは思えないくらい満ぷくになりますよ。
<その3:笑わないヒロイン・アンナ>
韓ドラのヒロインの多くは「いつも笑顔」「健気な頑張り屋さん」というイメージだった私。けれどこの「アンナ」というヒロインは、ほぼ笑顔を見せることがないし、したたかに生き抜こうとします。
もっともっと上に行きたくて、ハイスペックな男性と結婚をし、ついには教授にまで上り詰めるアンナ。
ここぞというときに繰り出す笑顔と人当たりの良さ、持ち前のカリスマ性によって、周囲の人々はアンナにダマされ続けるのです。
私だったら嘘をつきすぎてお腹が痛くなっちゃいそうですが、アンナは止まろうとしません。肝が据わりすぎていて、見ているこっちはむしろ爽快〜〜〜!
【全8話のディレクターズカット版もあります!】
自分が欲しいものに対して貪欲で、決して諦めないアンナを見ていると、不思議とパワーをもらえます。
そしてアンナを演じるぺ・スジさんの佇まい・話し方共に、とても魅力的なんですよ……! 貧しい生活に疲れ切っているユミ&セレブな暮らしをおくるアンナを見事に演じ分けているので、ぜひ注目してみてください。
ちなみに今回ご紹介したのは通常版。Prime Videoでは、ディレクターズカット版も配信中です。
通常版を観てあとは、ぜひディレクターズカット版も観てほしい。決して後悔はさせませんので……!
■今回紹介した作品
『アンナ』(原題:안나)、『アンナ ディレクターズカット版』
Prime Videoにて独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch