女性の権利と政治的・経済的分野への参加を盛り立てていくために、国連によって1975年に制定された「国際女性デー」。その遥か昔にあたる1883年には、性別を理由に弁護士になることを許されなかった女性がいました。

でもその女性は決して諦めないし屈しない! 持ち前の頭の良さと観察眼、ずば抜けた行動力によって事件を解決へと導き、弁護士への道を模索するのです。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixドラマ『リディア・ポエットの法律』を観ながら、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

物語の舞台は1800年代後半のイタリア・トリノ。弁護士資格を持つリディア・ポエットですが、男性弁護士よりも安価に事件を請け負いながら生活しています。

そんなある日、バレリーナが遺体で発見される事件が発生。

見かけや先入観にとらわれないリディアは、早々に事件を紐解くヒントを見つけますが……あろうことか裁判所から呼び出され、「女だから」という理由で弁護士会加入を違法とみなされてしまうのです。

けれどリディアは立ち止まりません。弁護士の兄・エンリコと謎多きジャーナリストの義理兄・ヤコポの協力を得て、さまざまな事件を解決。そのいっぽうで、違法の判決を覆そうと上訴の準備を進めていきます。

【ココが見どころ!】

<その1:実話に着想を得たストーリー>

イタリア初の女性弁護士、リディア・ポエット。男性ばかりのトリノ法曹界において弁護士資格を取得するも、わずか3カ月ではく奪。その後、長い道のりを経て、65歳でようやく弁護士として再登録されたといいます。

そんな実体験から着想を得ている本作でも、「女だから」という納得しがたい理由で、弁護士への道を阻まれるリディア。

実力はあるのに、「女性が議論する姿は見苦しい」「みだらな服装が判決の信用性を失わせる」「女性には生来不向きである」という無茶苦茶な理由から弁護士になれないんです……。

そうしたシーンを見るたび、当時の女性たちの無念を思って胸が痛くなるし、ここまで来るのにどれほど悔しい思いをしてきたのか、と観終わったあとに考えさせられました。

<その2:軽快なテンポで進行する法廷ドラマ>

本作は、1話あたり40分&全6話で構成された、非常にテンポの良い法廷ドラマ。「リディアが上訴へ持ち込む」というストーリーと並行して様々な事件が起こり、1話ごとに完結していきます。

40分とは思えない事件の濃密さもさることながら、登場人物たちも軒並み濃ゆい!

鼻持ちならないやつと思わせて実は “いいお兄ちゃん” な兄・エンリコ。リディアの良き協力者であり、心揺さぶる存在でもある義理兄・ヤコポ。絶妙な距離感でリディアを支え続けるボーイフレンドのアンドレア。

さらにはリディアを慕う姪・マリアンナなど、リディアを取り巻く様々な人々が、物語をより興味深くしています。

<その3:リディアの魅力的なキャラ&素敵な衣装にもご注目>

強くて頭が良くて、誰よりも自分自身を信じ、自分のプライドを大切にするリディア。

そんなリディアですが、演じるマティルダ・デ・アンジェリスさん魅力も相まって、誰もを虜にするチャーミングなキャラクターに仕上がっているです。

あとですね、リディアが着用しているドレスも素敵! 気品に満ち溢れた麗しいドレスの数々にもぜひ注目してご覧くだいっ。

【重すぎないところも◎】

「女性の権利」というテーマをしっかりと描いたうえで、重すぎず固すぎないストーリーへと落とし込んでいる本作。

こうしたテーマを取り扱った作品は数多くありますが、本作は「入り口のハードルが “いい意味で” 低い」作品といえるんじゃないかと思います。

もちろん週末のイッキ見にも超オススメですが、1話完結型なので、時間があるときにちょこっとずつ鑑賞することもできますよ!

■今回紹介した作品

Netflixドラマ『リディア・ポエットの法律』(原題:The Law According to Lidia Poët)
2023年2月15日より独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Lucia Iuorio/Netflix © 2022