平凡な毎日に刺激が欲しいとき、私はいつもホラー作品を鑑賞します。

“ホラー” とひとくちに言っても、心霊系やモンスター系など、その種類はさまざま。今回ご紹介するのは、本当に怖いのは人間だということをしみじみわからせてくれる “ヒトコワ系” の海外ドラマです。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixオリジナルドラマ『オハイオの悪魔』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

本作は、アメリカの田舎町を震撼させた戦慄の事件という実話に着想を得たダリア・ポラティンのベストセラー小説が原作。

主人公・精神科医のスザンヌは優しい夫と可愛い娘たちに囲まれて幸せに暮らすいっぽう、かつて継父から受けた虐待のトラウマに苦しんでいました。

ある日、スザンヌが勤務する病院に「メイ」という名の少女が運ばれてきます。

メイの背中には大きな傷跡があり、それに加えて両親に連絡しても引き取りにこようとしないことから、虐待を受けていると確信したスザンヌ。そこでメイを自宅に連れ帰って一時的に保護しようとしますが……この決断が平穏な家族に影を落とすことになるのです。

【ココが見どころ!】

<その1:悪魔を崇拝する「カルト集団」が恐ろしい>

物語のキーとなるのは「メイはなぜ病院へと運ばれたのか」。

メイは悪魔を崇拝する謎のカルト集団から命からがら逃げてきたのですが、逃げてからもメイの洗脳は解けていないよう。

庭に祭壇を作って不気味な儀式を繰り返したり、十字架をさかさまにしたりと、カルト集団にいたころの教えからなかなか抜け出せません。

その教えは明らかにおかしなものであるのに、閉じられた場所で育まれるカルト宗教に誰も異を唱えない。そして教団の外部にいる者に全く耳を貸そうとしない。そうした攻防が、リアルの世界にも起こりうると感じられるのです。

<その2:翻弄されまくり! メイは被害者なの? それとも…>

「メイ」について、はじめこそ “カルト集団の被害者” として描かれますが、少しずつ化けの皮が剝がれてゆくシーンは恐怖でしかありません。

スザンヌ一家に執拗に依存したかと思えば、平気で傷つけるようなことをする。しかもその行為自体を「悪いこと」と思っていないところが厄介すぎる!

極めつけは衝撃の事実が明らかになるラストシーン。最後の最後まで「メイってまさか…」と翻弄されまくること必至です。

<その3:タイトだからイッキ観にピッタリ>

本作は1シリーズで完結するリミテッドシリーズ。さらに1話あたり40〜49分&全8話とタイトに作られています。

そのため週末にイッキ観するのに打ってつけ。スリリングなストーリー展開も相まって、あっという間に観終わってしまうことでしょう。

ちなみに、ホラー作品としてここまで紹介していますが、「ギャーーーー!」と驚くような描写はありません。ゾワゾワ展開でありながら、ホラーが苦手でもハードルが低いとおもいます!

【そんな終わり方しないでえええ】

最初から最後まで不穏な展開が続いていく本作。メイとスザンヌが結ぶ奇妙な依存関係もゾワゾワに拍車をかけてきます。

そして「えっ…このあとどうなるの!?」というシーンで幕を閉じる展開も怖すぎるっ!

ああ、やっぱりいちばん怖いのは、人間なのかもしれません。皆さんもお気をつけて……。

■今回紹介した作品

Netflix シリーズ『オハイオの悪魔』(原題:Devil in Ohio)
2022年9月2日より独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
※本シリーズはリミテットシリーズ配信です。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Netflix © 2022