怨恨、復讐、そして快楽。犯罪が起こる背景には、なにかしらの「理由」があるものです。

今回ご紹介する作品の犯人は、典型的な「快楽殺人者」。

誰かを恨んでいるわけでなく、復讐するのでもなく、ただ人が苦しむ姿を見たくて仕方がない。そのためならば、自ら手を汚すことも厭わないーーー。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでNetflix映画『刑事ジョン・ルーサー: フォールン・サン』を観ながらゴロゴロして、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

誘拐された青年・カラムの事件について捜査していた、ロンドン警視庁の凄腕刑事ジョン・ルーサー(イドリス・エルバさん)。

しかしある日のこと、過去の強引な捜査が明るみに出て、刑務所に収監されてしまいます。

ルーサーが現場から離れて間もなく起こった、凄惨な事件。その後、ルーサーのもとに届いた「65.8」とだけ書かれた手紙……。

手紙が犯人からのものだと悟ったルーサーは、仲間に協力を頼んで刑務所を脱獄します。そして、明晰な頭脳と優れた勘を駆使し、犯人を追い詰めてゆくのです。

【ココが見どころ!】

<その1:犯人がサイコパスすぎる>

『古畑新三郎』シリーズさながら、いちばん最初に事件の犯人が明かされた上で進行していく本作。

主人公・ルーサーが追う快楽殺人者のデヴィッド・ロビー(アンディ・サーキスさん)は生粋のサイコパスで、嬉々とした表情を浮かべながら、凄惨な殺人を繰り返していきます。

事件自体も恐ろしいけれど、もっと恐ろしいのは “デヴィッドが起こす行動”

恐怖と悲しみに恐れおののく遺族を見て楽しんだあと、遺族に近づいて親切にしたり、苛烈な暴力を与えたあとにキスをしたり……。

役者の狂気的な熱演も相まって、「今夜眠れるかな、夢に出てきそうだな」と不安になってしまうほど怖いんです。

<その2:予想もつかない殺人方法とネットの闇>

なにせ犯人がサイコパスなので、殺人方法も常軌を逸している本作

冒頭から地獄絵図ともいうべき火事が起こり、中盤ではロンドンの繁華街にある広場「ピカデリーサーカス」で壮絶な事件が勃発します。どちらの事件も「人間が思いつくかぎり最も最悪」といっても過言ではないほど!

そして、これらの事件の背景には個人情報流出という「ネットの闇」が存在しています。皆さんもインターネットの使い方にはくれぐれもお気をつけて……。

<その3:主人公の鋭い洞察力と分析力に唸る>

捜査のためなら手段は厭わず、脅迫も不法侵入も脱獄も平気でやらかす型破りな刑事・ルーサー。

しかし型破りなだけでなく、優れた洞察力と分析力も持ち合わせており、先回りもお手のもの! プロファイリングを駆使して犯人を追い詰めてゆく過程にゾクゾクしてください。

【イドリス・エルバの魅力が全開】

2018年に米People誌によって「最もセクシーな男」に選ばれているいっぽう、自身の出演作では、人類を滅ぼそうとしたり、ライオンと闘ったりしているイドリス・エルバさん。

そんな彼が演じるルーサーも、セクシーで、規格外に強い!

とりわけ、刑務所を脱獄するときの大暴れっぷりはすさまじいものがあるので、ぜひ楽しみにしていてください。

英BBCの人気ドラマシリーズ『刑事ジョン・ルーサー』の続編として製作された本作。とはいえ、ドラマシリーズを未見でも十分楽しめるのでご安心を。

■今回紹介した作品

Netflix映画『刑事ジョン・ルーサー: フォールン・サン』(原題:Luther: The Fallen Sun)
2023年3月10日より独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:John Wilson/Netflix © 2023、© 2023 Netflix, Inc.