韓国現地で食事をする際、外国人が特に驚くのがお通しだ。最低4~5種類は当たりまえで、別料金無しでおかわり自由。たったの1品注文しただけでも人数に関係なくきちんと出てくるので、非常に豪華な食事を楽しめる魔法のようなつきだしである。

今回「韓国食堂で出される無料のおかず群」のことを「お通し」という言葉で表現しているが、実は日本のお通しとは性質が異なる。日本では、居酒屋でとりあえず出てくる小皿料理を指す。ひとりあたり1~2品ほどの小皿料理で、調理中の客を待たせるためのつなぎといわれている。そして有料。

韓国の場合、お通しは居酒屋ではなく基本的に食事処で出される。基本的に料理を頼まなければ出てこないシステムになっているので、「お通しとお酒だけ」という組み合わせは不可能だ。そして冒頭でも述べたように、無料だ。

韓国でのお通しは、韓国家庭で一般的に見られるおかず類が4~5種類、人数に関係なく出てくる。メニューはさまざまで、キムチやカクテキなどの漬け物系をはじめ、ナムル、サラダ、おでん(日本のそれとは少し違うが)など。もちろんおかわり自由。お店によっては、チゲ鍋やサムギョプサルをお通しで出すバブリーなところもある。これはさすがにおかわりは出来ないようだが。

もちろんこれは韓国現地の話。日本で営業している韓国料理屋では、ここまでサービスしているお店はほとんど存在しない。テナント料、税金、人権費などが日本の方がはるかに高いので、そんなことをしていたら採算がとれないのかもしれない。

実際に韓国のお通しをご覧に入れよう。先日ソウルのある食堂でプルコギを注文した際に出されたお通しの写真だ。

サンチュ、ケジャン、マカロニサラダ、キムチ(2種類)などがお通しとして並べられている。日本だと2000円はくだらないクオリティだ。

この食堂の場合、プルコギ1人前が10000ウォン(約730円)で、無料のお通しがこの量だから驚きだ。韓国の食堂にとって、お通しはお冷やくらいの感覚なのだろうか。

ちなみに同じソウルでも、下町に行けば行くほど、観光客が少ない地域になればなるほど、お通しのレベルは上がっていく。食堂のメニューに日本語や英語が書かれていなければ、そのお店は「大当たり」だ。もし旅行などで韓国に行く機会があれば、お通しの食べ比べをしてみるのも面白いだろう。

トップ画像:flickr=OiMax(http://bit.ly/gZ9dwZ