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YouTubeの画面に静かな音楽と共に映し出される、妖しく動き回る美しい雫。「これは生きているの?」と思わせるその美しいムーブメントの謎を、スタンフォード大学の研究者達が解明したようです。

【幻想的なムーブメント】

静かなピアノの音色に合わせるかのように、円状に作られた道を進む透明と緑色の雫。
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ゆっくりと一直線に整列するバラバラだった緑色の雫。
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ガラス板の上で自由に動き回る色とりどりの雫。
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【無生物なのに動くのはなぜ?】

生きている細胞では、この動きは化学走性(微生物や細胞が化学的刺激の方向へ、またはそれとは反対の方向へ運動すること)として知られているのだそうですが、当然、実験で使用されている雫に命は宿っていません。

それではなぜ、色付けされた雫が互いに刺激し合って動くのでしょうか。

科学雑誌ネイチャー誌にこの実験についての論文を寄稿したManu Prakash氏によると、大事な点は色付けされた雫が、2つの分子で構成された液体であるということのようです。

実験で使用された色付けされた雫は、水とプロピレン・グリコールという2つの分子で構成されています。水もプロピレン・グリコールも、それぞれが蒸発し、表面張力をするのですが、蒸発をするタイミングや表面張力の力に違いがあり、その結果、雫の中でバランスが崩れ、まるでダンスをしているように美しく動き出すのだとか。

【好奇心が原動力】

この発見は、半導体や自浄能力のあるソーラーパネルの技術にも活かすことができるようですが、Prakash助教授はそんなことよりも、「無生物がなぜ動くのか」という自らの科学的探究心を満たせたことが本当に嬉しいのだそう。

「必要が発明の母であるなら、好奇心は発明の父だよ」

と述べるPrakash助教授。ここに化学者の神髄を見たような気がします。

参照元=YouTubeStanford News
執筆=南野バンビ (c)Pouch

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