
塩レモン、塩麹に続く、新しい「塩系調味料」がヒットしそうです。その名も『マッサ』。正式には、『マッサ・デ・ピメント』という、ポルトガルの伝統的な調味料で、お味噌やお醤油と同じくらいポピュラーなものなのだそう。
・シンプルな材料で作れる!
材料は基本、赤いパプリカとお塩だけ。真っ赤だけど辛くなくて料理にコクが出るのだとか。肉料理やフライドポテト、冷奴にも合うんですって! よし、今夏はマッサで乗り切ろうではありませんか!
・ピーマンで作っちゃけいないの?
そこで、ひとつ疑問が。ピーマンじゃダメなの? パプリカよりも安い、緑のピーマンで『緑マッサ』を作っちゃダメなの? ナンデ?
――いっちょ、緑もやってみようじゃないの。
ということで、正統派のパプリカでつくる赤いマッサと、ピーマンで作る緑のマッサの両方を作成することにしました。
【 おっと、分量で困ったぞ 】
さて、マッサのレシピを調べてみたら――どれもけっこうアバウト。「パプリカ1個あたり大さじ○杯」って言われても、パプリカの重量によってお塩の量は変わるじゃないですか! レシピによっては「たっぷり」としか書いていません。レシピのたっぷりと、わたしのたっぷりが同じ量だとは限りません。参ったな。
ここで思い出しました。昨年、うっかり3kgも作ってしまった塩レモンに使ったお塩は、レモンの重量の10%。レモンは酸が強いので、10%の塩分でも傷まなかったのだと判断し、酸味のあまりないパプリカで作るマッサの場合は、5%増量して15%にします! 今決めました! 「たっぷり」は15%です!
ちなみに、常温保存できる梅干を自宅で漬けるときの塩分量が約20%なので、15%は安全な量でしょう。
【 赤マッサと緑マッサを作ってみよう 】
1 まず、洗ったパプリカとピーマンのヘタと種を取ります。こちら、焼酎や日本酒の瓶のフタ(金属製)をヘタ部分にあてて、ぐいっと中に押し込むと、ぽこりと楽に取れますよ。
2 次に小さくカットします。あとでペースト状にするので、切り方はお好みでどうぞ。今回は2センチ角に小さく刻みましたが、もっと大きくーー縦に八つ割くらいのほうが、のちのち作業しやすいです。
3 ヘタと種を取り除いて刻んだパプリカたちは、それぞれちょうど200グラム。そこに15%の30グラムのお塩を、どさっと、たっぷりふりかけます。どすこい。
4 お塩がまんべんなくいきわたるように、タッパーをフリフリしました。たくさん作るときや、深さのあるビンを使う際は、容器に入れるときにお塩とパプリカを交互に重ねていくといいですね。角切りにしたパプリカの表面に、びっしりとくっつくお塩。ちょっと多すぎやしないかと心配になるくらいです。
マッサの完成まで1週間ほど。室温で放置します。マッサを作っている最中だということを忘れてしまわないように、あえて、キッチンの邪魔になるところに置きました。
・タッパーに入れてこまめにシェイク
今回は、適当な深さのあるビンがなかったのでタッパーに入れて、こまめにシェイクするという方法をとりました。実際に作るときは深めのビンか、ジップロックのような袋に入れたほうが空気に触れる面積が減るので、より安全だと思います。
4時間たった時点で、もうすでにパプリカがひたひたになるくらいの水分が出てきていました! すごい! 野菜って、文字どおり、みずみずしいんですね。
【 1週間後 】
こまめに振り回すこと1週間。赤いパプリカはきれいな色と甘い香りのままですが、緑のピーマンはややくすんで、草みたいな香りが。ピーマン嫌いな子供が多い理由がよくわかりました。この草っぽい香りが嫌いなんですね。
タッパーの底には、溶けきれなかったお塩が溜まっているので、水洗いして水気をとり、軽く数時間干します。この干し作業はあってもなくてもOKですが、干すことを前提とするときは、大きめに切っておいたほうがいいですね。今回は2センチ角に切っていたので、ちょっと面倒でした。
【できあがり】
干したパプリカとピーマンをフードプロセッサーにかけると、甘い香りの正統派『赤マッサ』と草々しい実験的『緑マッサ』のできあがり!
今回は、オリーブオイル大さじ1杯を、そのまま混ぜ込みましたが、ビンにしっかりつめて、表面にオリーブオイルを流してオイルで蓋をするという方法だと、空気が遮断されて日持ちするそう。
どちらも、ゆず胡椒くらいの塩分があるので、そのままディップにするにはちょっと塩辛いかもしれません。
・次回、いよいよお料理に使ってみます!
さて、このマッサ、どう使おう? せっかくなので、和食の板前さんにこの二色のマッサを持っていって、日本人向けのレシピを考案してもらうことにしました。次回をお楽しみにね!
【正統派マッサの作り方】
・赤いパプリカのヘタと種を取り、縦に8等分ほどの大きさにカット
・パプリカの重量の15%ほどの塩をまぶして室温で2~7日おく
・出てきた水分を捨てて水洗いし、軽く干す(干さなくてもOK)
・フードプロセッサーにかけてビンにつめ、表面にオリーブオイルを流す
撮影・調理・執筆=綾部 綾 (c)Pouch
綾部綾










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