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「カレーの色といえば?」ときかれれば、黄色や茶色と答える方が多いのではないでしょうか? 今年の夏、そんな固定観念を吹っ飛ばすピンク色のカレーが鳥取県で発売されたときき、取り寄せてみましたよ~!!

「うえええ、ピンクぅ!?」などと言わず、前向きに試食レポートをしてみたいと思います

筆者の手元に届いたのは、鳥取市の和風カフェ、「とっとり山の手物語 大榎庵」が販売する「ピンク華麗」。ピンクを基調としたパッケージには、同店のイメージキャラクターである貴婦人四姉妹のイラストがほどこされ、それはそれは可愛らしいのです。
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箱からレトルトの袋を取り出し、家族に「今日のお昼は、このピンクカレーだからね」と告げると、「急に仕事が……」と言って出かけてしまったため、仕方なく、一人で温めたカレーをお皿に流しこみます。すると、目の前に現れたのは、何とも乙女なルックスのカレーライス!! 
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原料は、ボルシチの材料としてもおなじみのビーツときいていたので、もう少し深い色を想像していたのですが、まるでラズベリー・ヨーグルトのような淡いピンク色です。こんなに可愛らしい色の食べ物、30過ぎの筆者が口にするのはおこがましくないでしょうか? 遠慮したいです。

勇気を出して一口食べてみると……「辛い!」予想外にスパイシーです。良かった。正直、甘口だったら、罵倒しようかと思っていました。桃色のルーの中に見え隠れしていた黒い点は、胡椒だったのですね。

筆者の脳は、「カレーらしからぬ色のカレー」よりも「カレーらしからぬ味のカレー」を恐れていたようです。一度その恐怖が取り除かれると、あっという間に完食してしまいました。辛いだけでなく、まろやかさもあり、結論としては「かなり上等のカレー」だったのでした。

【何故ピンクカレーは鳥取県で誕生したのか】

さて、後味は悪くないどころか美味しかったのですが、「何故鳥取県でこのカレーは生まれたのか?」というモヤモヤ感はぬぐいされません。お隣の岡山県であれば、特産品の桃のイメージかと合点がいくのですが。

前述のカフェを運営するブリリアントアソシエイツ株式会社によると、パッケージに描かれた貴婦人「四姉妹のイメージから『可愛らしいピンク』にした」とのこと。そして、そもそも彼女たちが貴婦人であるという設定は、鳥取県の観光名所である「仁風閣」に由来しているのだそう。
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仁風閣といえば、国の重要文化財に指定されたフレンチルネッサンス様式の西洋館。今、最新作が話題の映画「るろうに剣心」の第一作では、ロケ地にもなっています。貴婦人たちの仲間にはウサギのキャラクターもいるそうですが、こちらは因幡の白うさぎ。なるほど、とても鳥取県らしい背景があったのですね!

【こちらも発想がすごい! 鳥取山の手エリアを味わいつくす「貴婦人コース」】

仁風閣周辺(鳥取山の手)エリアの活性化に取り組んできたブリリアントアソシエイツ社は、この地域に県内の他の観光地から人を集めるため、シャトルバス貴婦人号も運行。

このバスで、空港から「ピンク華麗」を食べられるカフェまで送迎もしてくれるそうですから、興味のある方は、現地に足を運んで食べてみてはいかがでしょう? なにせ、カレーのほかに提供されているサービスがすごいらしいのです。食事をし、施設内のサロンでデコルテを磨いた後、貴婦人風のドレスに着替え、その姿で三輪自転車で仁風閣に向かい、記念撮影までしてくれるって……カレーの色と同じくらいぶっとんでいます!!

とはいいつつ、こういう民間企業ならではの町おこしの発想っていいですよね。次回は、通販ではなく、現地で「ピンク華麗」を味わいたいと思った筆者でした。

参考:とっとり山の手物語 大榎庵市場料理 賀露幸(「華貴婦人ピンク華麗」通販サイト)
写真提供(仁風閣)=ブリリアントアソシエイツ株式会社
写真・執筆=大井たま(c)Pouch
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