イタリアには日本と同じように花屋があるが、小さな街では自動車に花を積んで巡回して売っている、移動花屋が存在します。移動花屋は「いつもの場所」を巡回し、大声で「花はいりませんかぁ~!」と叫び、花屋がやってきたことを近所の人たちに伝えます。

日本の豆腐屋さんがリヤカーで売るとき、音を鳴らして近所の人たちに教えているのと同じですね。それにしても、花を移動して売ったとして、そんなに買う人がいるのでしょうか? 花は贅沢品というイメージがありますし、豆腐のように食べ物ではないのでそんなに売れるとは思えないのですが……。

しかし、そんな心配は無用のようです。イタリアでは「花は贅沢品ではなく必需品」という考えの人が多くいるようで、毎日のように新しい花を家に飾って生活している人が多くいるのだとか。花があって当然の生活をしているらしいのです。

日本人でも毎日とまではいかなくても、数日おきに花瓶に新しい花を入れて飾っている人はいます。しかし、イタリアでは花は食べ物と同じようになくてはならない存在なんですね(特にマンマが花にうるさいそうです)。

移動花屋はけっこうもうかっているようで、店員が大声を出して売り出すと、どんどん近所の人たちが集まってきました。切花も人気のようですが、鉢植えも売られていました。また、クリスマスシーズンになると花の種類も変化するとのこと。

移動花屋にとってクリスマスなどのイベントシーズンは書き入れ時らしく、ほとんど完売してしまうと言っていました。時期によって売る花をかえるのだそうです。また、イベントのときにしか現れない移動花屋もいるそうです。

花がある生活は心が豊かになる気がします。明日あたり、花を買って自宅に飾ってみるのもいいかもしれませんね。ちなみに、イタリアの奥さまたちにはバラが人気のようです。移動花屋に、色とりどりのバラがギッシリと積まれていたのはそのためかも?

写真: Pouch編集部.