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ニッポンが誇るハードリカー、焼酎(沖縄の泡盛も含めて)。これにぴったりのアテ(おつまみ)があるんです。その名も『塩らっきょう』

お客様の中で、沖縄の「島らっきょう」が好きな人はいらっしゃいませんか? よーし、それなら、問答無用で今すぐ作ってください! あなたの焼酎・泡盛ライフが妙なるひとときになることを保証します。そうでないあなたも、この絶品おつまみ、試してみる価値が絶対ありますよ!

■ らっきょうが嫌いな人って多いですよね

実は、食べ物の好き嫌いがほとんどない記者ですが、甘酢で漬けたらっきょうだけが苦手だったんですよ。それが、この『塩らっきょう』に出会ってから、なんと、甘酢のらっきょうまで食べられるようになってしまったのです。お願いだから、一度だけ、一度だけでいいから試してみてください。らっきょうに、最後のチャンスを与えてください!

■ 塩らっきょうって、どうやって作るのさ?

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5月から7月にかけて、スーパーの野菜コーナーに小さくて痩せたタマネギみたいな、うっすら土がついたままのらっきょうを売っているのを見たことがありませんか? この子たちを使うんです。

作り方は、文章にするといたって簡単。
1、皮を剥く
2、塩をまぶす
これだけ。ですが、実はこの「皮を剥く」作業が、ちょっと面倒なんです。面倒なんだけどその甲斐はある! ですので、今年はぜひトライしていただきたいのです。

■ らっきょうの皮を剥こう!

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最初に言っておきますが、この作業、臭いです。一番のネックは、このニオイです。お部屋の換気を最強にするか、ベランダで作業しましょう。

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まず、全体をざっと洗って土を落とします。そして、らっきょうの根っこの部分をギリギリのところで切り落とします。このギリギリさ加減が、仕上がりの「パリン」とした食感につながるので、できるだけ根っこに近いところで切り落としましょう。

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切り落としたところから一枚皮を剥いて、先っぽを切り落として、よく見る甘酢のらっきょうの形にします。

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全部を仕上げるのに時間がかかるので、ベランダで作業するときには塗れ布巾を用意して、手と包丁をこまめに拭いてくださいね。

■ 塩漬けにしよう!

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がんばって剥いたらっきょうに、5~10%ほどの塩をまぶして仕上げます。そのまま食べることを前提としているので、塩気は薄めにして冷蔵庫に入れましょう。

今回は、粗塩と唐辛子で仕上げるプレーンなタイプと、粗塩にハーブを加えたハーブバージョンの2つを作成しました。保存するビンは、金属製のフタではないものを使用してくださいね。

■ 最初から剥いてある『洗いらっきょう』を使っちゃダメなの?

だめです! だめです! 絶対にダメである! 

らっきょうの季節には、すぐ甘酢に漬けられるように皮を剥いて加工してある『洗いらっきょう』が売り場に並んでいるかもしれません。でも、この洗いらっきょうは、甘酢らっきょう専用のもの。パリンとした食感が命の塩らっきょうは作れないんです。お願いします、ちょぴり大変で、ちょっぴり臭いけど、土つきらっきょうを使ってください。もし、どうしても面倒なら、誰かにアルバイト代を払って作業してもらってでもいいから、土つきらっきょうから作ってください。

■ 塩らっきょうができたよ~

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冷蔵庫で保存して1週間。目に入るたびにこまめにシェイクしていると、うっすらお水が上がってきます。浅漬けスタイルなら、1週間後からでも食べられます。

ツンとした香り、パリンとした硬い歯ざわり、パンチの効いた辛味。仕事で多少嫌なことがあっても、ガツンと忘れさせてくれる、最強のおつまみができたよ!

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普通の塩だけではなくて、クレイジーソルトを使ってみたり、カレー粉をまぶしてみたりと、塩らっきょうのバリエーションはあなたのアイデア次第で無限です。アテとしてそのまま食べるだけではなく、スライスしてカツオのタタキと一緒に食べたり、刻んでタルタルソースの具にしたり。薬味としてのポテンシャルも高いのです。

この塩らっきょう、それほど保存性が高くないので、お盆までには食べ切ってくださいね。そして、来年また訪れるらっきょうの季節を待ちましょう。暑い夏、今しか食べられないパリンとした塩らっきょうをアテに、キンと冷えたロックの焼酎や泡盛をいただくのは最高ですよ!

今年を逃してしまったら、来年でも、その先でもいいんです。いつか土つきらっきょうをスーパーで見かけたら、塩らっきょうのことを思い出してあげてください。そして、勇気を出して一度だけトライしてみて!

……あ、言い忘れていましたが、赤ワインとの相性は最悪なので、そこだけ注意してくださいね。

執筆=綾部 綾 (c)Pouch