「英語を習得したい!」「英語を話せるようになりたい!」 そんな希望を胸に英会話スクールに入る人は最近とても多いのではないでしょうか。筆者の回りにもスクールに通う人や英語を教える外国人の先生がいますが、学校に行ったからといって、英語ができるようになった人はあまり聞いたことがありません。
いったいなぜなのでしょうか。今回は大手英会話スクールで数年間英語を教えてきたPさんに話を聞いてみました。
記者:突然ですが、Pさんは大手の英会話スクールに数年間英語を教えてきたとのことですが、実際に英語ができるようになった生徒はいましたか?
Pさん:……………。(沈黙が約20秒間続き) そうですね、あまりみたことがありませんね。残念ながら。結局、週1回とか2回とか通っても、無理ですよね。
記者:なぜ、スクールに通っても英語ができるようにならないのでしょうか?
Pさん:英会話スクールで英語ができるようになると錯覚しているからではないでしょうか。
記者:どういう意味ですか?
Pさん:つまり、週一回や二回の英会話はアウトプットができるか試す場所になります。どのくらい自分が話せるか、単語や文章が頭から出てくるのか、テストする場なんです。そして、アウトプットが出来ない部分があれば、それを認識し勉強する。これが必要なのです。したがって一番重要なのは、日頃の勉強になります。いかに毎日コツコツ単語や熟語、節を頭に入れられるか。そう、簡単に言えば暗記ですね。
記者:つまり、英会話スクールはテストの場と位置づけることが重要ということですね?
Pさん:はい、そうです。
記者:話は変わりますが、日本で英語を教えてきて、何か変わったことなどありましたか?
Pさん:いくつもあります。例えば、日本人は主張が少ない、照れ屋さん、オープンじゃない、などよく世界から言われますよね? 欧米人はオープンなのに、日本人は閉鎖的だとか。多分、日本人はこのコンプレックスを異常に感じていると思います。
記者:どういうことですか?
Pさん:昔あった話ですが。授業が終わって教室にいた時にある日本人女性に話かけられたのです。「こんにちは!」ってね。で、「週末は何をして過ごしたの?」って私が聞いたら、「〇〇に彼氏と行って帰りにビーチに行きました。そこがスゴくいい場所で、そしたら彼氏が後ろから抱きしめてくれて、横から熱いチューをしてくれたんです。そしてスゴク盛り上がっちゃってそのまま彼の家に行っちゃったんです。」と。その後の話は割愛させてください。
記者:かなりプライベートな話ですね…。
Pさん:英語だから話やすさもあるかもしれませんが、普通こんな話を、先生と生徒でしますか? 私、聞きたくないですよ、こんな話。欧米人はオープンだからってこんな話公共の場所でしません(笑) まあ、仕方ないかもしれませんけどね。
記者:それ以外にありますか?
Pさん:うーん、西洋人の男性先生を目当てに、英語を習いにくる日本人女性はいますよね。授業終了後に、先生に近づいては手を握ったり。一体何しに来てるのって感じですね。
記者:まずは日本に来て英語を教える外国人って多いと思うのですが、その一方で辞める人も多いですよね。なぜだと思いますか?
Pさん:単純に飽きるからだと思います。同じ内容の授業を年単位で繰り返しますから。結局、先生には権限もないし、自分がやりたい授業はできません。ある先生が「ヒラメイタ! この方法で生徒に教えてみたい!」と思ってもできません。なぜなら、英会話スクールはコンビニのように全国にあって、教え方はマニュアルで統一されているからです。あの○○校とあの○○校は教え方が違うとなったら大変なわけです…。
記者:なるほど…。意見を吸い上げる機関があってもよさそうですね。最後になりましたが、これから英会話スクールに行こうと思っている人にアドバイスを頂けますか?
Pさん:英会話はテストの場であって、重要なのは日々の積み重ねです。私の回りにいるアメリカ人の友達は日本語ペラペラで仕事もしているのに、現在も毎日2時間は日本語を勉強しています。要するにこれが重要なんですね…。
記者:ありがとうございました。
ということで、今回、2時間ほどPさんにインタビューさせていただきましたが、重要なのはスクールに任せっきりになるのではなく「英会話スクールを使ってやろう!」そんな心意気が大事なのだと感じました。それと、日々の積み重ね。実にシンプルですね…。
文=写真 Yoshico
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