世の中には「普段は注意を払わないところに、思わぬことを発見する」、そんなことがままあります。いつも通る都会の片隅に咲く可憐な花、意識し始めると妙に恐ろし気に見える壁のシミ、突然気付く恋人や友人のヘンな癖……。
それと同じように、とまでは行きませんが、「いつも何気なく使っているGoogleの検索機能が、ときどき詩を書いている」と言ったら皆さん驚くでしょうか?
正確には「そう感じる」ということなのですが、ご説明しましょう。
ネット検索時に言葉を入力すると、いくつもの「検索候補」が下に現れる機能。あの窓をまず思い浮かべてください。いつもは目当ての言葉しか注意していないものですが、「ふと手を止めて全部読んでみると、それが偶然にも詩のような響きを持っていることがある」とうことなのです。
そんな偶然現れたGoogleポエムを投稿するサイトが『googlepoetics.com』。ユニークな視点が話題のこのサイトからいくつか例をご紹介してみます! なお、各冒頭の [ ] は実際に検索した時の文字列、以下の行はウィンドウに表示された検索候補です。
[i was d…]
i was dying inside to hold you
i was drizzle and she was a hurricane
i was driving downtown with the girl i love
i was disappointed
死ぬほどあなたを抱きしめたかった
私はこぬか雨、彼女はハリケーンだった
愛する女の子と私は町をドライブしていたのだ
私は絶望していた
[i am a…]
i am a paleontologist
i am a man of constant sorrow
i am a rock
私は古生物学者
いつでも悲しみに沈んだ男
私は岩である
なんだか素敵なイメージじゃありませんか? 他にも、
[i just w…]
i just wanna run
i just want you to know who i am
i just want my pants back
僕は急いで逃げたいんだ
君に知って欲しい、僕がどんな人間なのか
僕のズボンを返してくれよ
[why is l…]
why is life so hard
why is leadership important
why is love important
why is lego so expensive
人生がこんなに辛いのはなぜ
リーダーシップが大切なのはなぜ
そして愛が大切なのはなぜ
それに、レゴってなんであんなに高いんだ?
なんてちょっとおかしなものもあります。
候補に上がるセンテンスは、検索頻度の統計が左右しています。多くは人気曲のタイトルだったり、古い歌詞の一部だったり。面白いのは、「組み合わせのランダムさが微妙な行間を生んでいること」と「一旦ウィンドウに表示された文はもとの意味から離れる」という点ではないでしょうか。
ちなみに日本語でも試したところ、単語に色んな意味のある英語と同じようには行きませんが、次のような結果が。
[わたしはも…]
私はもうお嫁にいけません
私はもうお嫁にいけない
私は目撃者
私はモルモンです
私は戻ってきた 英語
私はモンスターペアレント
私はモスクワを歩く
わたしは目撃者
なにも2回言わなくてもいいじゃないか。ちょっと残念な結果です。でもその下のシュールな展開が面白いでしょ?
そもそもこれを詩と呼べるのかは疑問ですが、”そこに詩を見るか否か” は読み手次第。「それもまた人生に似て……」なんて詩的な空想に浸ってしまうのでした。皆さんもぜひお試しあれ!
(文=黒澤くの)
参照元:googlepoetics.com
▼死ぬほどあなたを抱きしめたかった/私はこぬか雨、彼女はハリケーンだった/愛する女の子と私は町をドライブしていたのだ/私は絶望していた
▼私は待っている/私は生まれてくる赤ちゃんを待っている/私は全ての女性なのだ
▼私は古生物学者/いつでも悲しみに沈んだ男/私は岩である
▼僕は急いで逃げたいんだ/君に知って欲しい、僕がどんな人間なのか/僕のズボンを返してくれよ
▼さあ始めよう/ドーナツを作る時間だ/ブログなんて止めて/パーティーをしよう
▼人生がこんなに辛いのはなぜ/リーダーシップが大切なのはなぜ/そして愛が大切なのはなぜ/それに、レゴってなんであんなに高いんだ?
▼日本語でも試してみました……!
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