kuma1

記者の耳にある日、驚きの情報が飛び込んでまいりました。「夢野さん、大阪の天王寺動物園におっさんみたいなクマがいるんだって。マレーグマっていうらしいよ」とメル編集長。おっさんみたいなクマ、ですと?

記者にとってのクマは、プーさんとか、ダッフィ&シェリーメイとか、なんだかかわいいイメージ。おっさんみたいって……どういうこと? しかも、マレーグマって、聞きなれないお名前……。

真相を確かめるべく、JR大阪環状線の天王寺駅に降り立った記者。いざ、天王寺動物園へ!

入園ゲートで案内図をもらい、「クマ」と表記されている場所へと向かうと、ほんとにクマがいました! でも、ツキノワグマという看板が!? その横に展示されているのはホッキョクグマです。マレーグマがいない!!!!!

おかしいな~、と思いつつ園内をぐるぐる。「ゾウ」「フラミンゴ」「チンパンジー」……どこに行ってもマレーグマがいない。仕方なく、もう一度、「クマ」のところに戻ってくると、おや? ツキノワグマの隣、かなぁ~り目立たない通路の端っこに、いました!!!!!

近付くと、マレーグマと書いた看板があります。おぉ、これがマレーグマかぁ。

なんとゆうか、まったくクマっぽくないです。ツルっとしていてスリムな体型で、仕草や表情が愛嬌たっぷり。「ぼへぇ」といった感じで座り込んだり、長い舌を出してのんきにあくびをしたり。ほんまや、日曜日のお父さんっぽい!

kuma2

記者がパシャパシャ写真を撮っていると、ちらほら親子連れやカップルが近付いてきました。マレーグマを見た来園者の感想は、だいたい次のようなものでした。

「うちのお父さんに表情が似ている」
「犬みたい」
「猿みたい」
「バイオハザードに出てくる犬のゾンビみたい」
「クマじゃないみたい」
「ほそっ!」
「なんか、おもろい」
「ヘビ見に行こか」

みんな、そのクマらしからぬ見た目にビックリしていたみたい。

記者が熱心にマレーグマを見ていると、飼育員のお兄さんが自転車でやって来ました。すると、なんとマレーグマが起立! え、クマの学校ですか、ここは。

記者「どうしてお兄さんが来たら、マレーグマが起立したんですか?」
飼育員の方「お~、飼育員。来たんか~ってのぞいてるんやと思いますよ」
記者「なるほど……あの2頭は夫婦ですか?」
飼育員の方「そうです。小柄な方がメスのマーサ、もう1頭がオスのマーズです」

飼育員の方によると、マレーグマは世界で一番小さなクマだそう。飼育しているのは全国の動物園の中でも2割ほどとのことです。舌が長いのは草を食べたり、土を掘ったりするためだとか。

記者は4時間ほどマレーグマを眺めていたのですが、いやぁ~、ぜんぜん見飽きないですね。起立したところなんて、ホントに人間みたいなんだもの。目立たない場所に展示されていますが、ちゃんと「クマ」のコーナーにいますので見落とさぬように!!!!!

(写真・文=夢野うさぎ)

▼メスのマーサ5歳(左)、オスのマーズ9歳(右)

kuma3

▼「あそこのアレ、なんや?」

kuma4

▼「まあ、どうでもええわ。ほげぇ」

kuma5

▼「ん~、あれなんやろ?」

kuma6

▼「まあ、ええわ。足ぶら~ん」

kuma7

▼「足の裏、なんかイタイねんけど」

kuma8

▼「まあ、ええわ。ほげぇ」

kuma9

▼「ほげぇ」

kuma10

▼「あ~、ねむた」

kuma11

▼「みんな、花見はええけど飲みすぎ注意やで!」

kuma12

▼マーサとマーズの展示風景

kuma13

▼「壁に張り付いて中のぞいてんねん」

kuma14

▼「お~い、飼育員、おるか~」

kuma15