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芸術家の頭のなかって、どうなっちゃってるんだろう? そんなことを思ったことをある皆さん! この週末はアートを見て、アーティストと話す体験をしてみるのはいかが? 

日本郵船の湾岸倉庫を利用したアート拠点「BankART Studio NYK」(横浜市中区海岸通3)では、4月14日まで「Under35」展を開催中。作品を身近に感じ、楽しむことができる展示だったのでご紹介します。

現在、BankART Studio NYKでは、35歳以下の若手のアーティスト7名に加え、BankARTに滞在中の台湾人アーティストLo Yi-Chouさんの作品も見ることができます。作品を見ながらデンキブランを飲んだり、大きな絵画を制作中の画家さんの様子を見たりすることができる場所もあります。

すべてのアートが興味深かったのですが、今回は4人のアーティストの作品だけご紹介します。

1.柵瀬茉莉子さんの『夜の刺繍』と金色の糸で刺繍された木
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柵瀬さんの作品は、「縫う」と「時間」がキーワード。例えば、さらし布に光ファイバーを縫い込んだ作品『夜の刺繍』では、多くの人がこの作品に関わり、一緒に縫う作業を続けたそう。瞬く光の縫い目が、「時間」を幻想的に伝えます。
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木を「縫った」作品の多くは、年輪に沿って縫い目を入れられています。1年ずつ増える年輪が金色の糸によって強調され、「時間」の経過がよりはっきり伝わります。木というものの持つ美しさが強調され、圧倒されます。
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柵瀬さんは会期中、椿の花びらを布に縫い付ける作品を作っていくそう。作品の完成度合いや、椿の花びらの色の移り変わり、質感の変化に「時間」というものを感じられそうです。

2.LO Yi-Chunさんのバナナの皮の作品
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外国の昔話の絵本に出てきそうなLO Yi-Chunさんの作品。よく見るとバナナのシールが貼ってあります。この作品、実はすべてバナナの皮でできたものなのです。2月20日から1ヶ月かけ、毎日横浜赤レンガ倉庫にあるレストランbillsから、バナナケーキに使った皮を回収。それを自然乾燥させ、平たく伸ばしてインスタレーション作品にしたものだそうです。
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台湾人アーティストのLO Yi-Chunさんはバナナという素材を選んだ理由を、バナナは日本で最も一般的かつ輸入量が多い果物であり、かつて日本のバナナのほとんどは台湾から輸入されたものだったからだと語ります。台湾と日本の関係、食文化など、いろいろなことを考えさせられる作品です。

3.木村宗平さんの『終電の灯』
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『終電の灯』の、天井から吊るされた紙は、外から見た終電の窓の光の部分を示しています。そして、紙をよく見ると、端が焼けこげているのがわかります。木村宗平さんの作品は電気の熱で紙を焼き焦がして描かれているのです。

毎日17時から、この『終電の灯』にはメディアアーティストの金箱淳一さんの映像作品が投影され、二人のアーティストの作品によるコラボレーションが楽しめます。その様子はさながらオシャレなカフェのよう。(展示機材協力:株式会社シーマ)
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また同時に展示されている作品「半径20Kmの境界」シリーズは、福島第一原発から半径20Kmの境界を巡り、その景色を電力で焼き付けたシリーズ。電気を作る原発の事故で起こった風景を電気で焼き付けるという、想像が膨らむシリーズです。
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ちなみに17時以降は、木村さんが素材として扱っている「電気」にかけて、デンキブランを100円で飲むことができます。木村さんとお話ししながらデンキブランを飲み、作品を見るなんていう贅沢もできちゃいます。

4.丸山純子さんの『はなおくり』
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圧倒されたのは、丸山さんの『はなおくり』という作品。大きな船に、砂や波に見立てたと思われる白い石けんが配置されています。また、床のあちこちに、砂マンダラを彷彿させるような花模様が。

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アーティストの丸山さんは、人間が使用して廃棄したものに興味を持ち、それを作品へ再生しているとのこと。今回使われている石けんも、廃油から作られた粉石けんなのだそうです。

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作品の中を歩き、緻密に描かれた石けんの花模様を見ていると、記者は何だか別の世界に放り込まれたような気持ちになってしまいました。厳しくも凛々しいアーティストの決意を感じるような作品でした。

作品の脇には、これまで制作した作品の写真の展示も。丸山さんは「展示している写真や地図を頼りに、作品を制作した場所をぜひ訪ねてほしい」とおっしゃっていました。

以上の4人のアーティストの作品だけでなく、展示されている作品は、どれもが色んなことを問いかけてきます。運が良ければ、アーティストの方とお話しするチャンスもあり! 会場は山下公園やヨコハマ赤レンガ倉庫のすぐ近く。ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか?

■美術館情報
BankART1929
〒231-0002 横浜市中区海岸通3-9
TEL : 045-663-2812
FAX : 045-663-2813
日時:2013年3月22日[金]- 4月14日[日] 11:30-19:00
会場:BankART Studio NYK
料金:入場無料
URL: http://www.BankART1929.com

(取材、写真、文=FelixSayaka

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