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田舎で育った人が都会に来たとき「な、なんだこれはっ!」とカルチャーショックを受けるように、都会で育った人が田舎に行っても「な、なんだこれはっ!」とカルチャーショックを受けたりします。ちなみに私は、自慢じゃないけど中目黒で育った都会っ子だよ。

そんな私が、とある地方に行ったとき。クルマの車窓から地元の若者がママチャリに乗っている姿が見えました。よーく観察してみると、なぜだかママチャリのハンドルが変なのです。な、な、なんだこれはっ!?

・クワガタ風なやつとか間隔が狭いやつとか

どんなハンドルなのかというと、ものすごくハンドルの間隔が狭かったり、威嚇しているクワガタみたいに、ハンドルの先っちょが上向きについていたり、どう考えても変なカタチをしているのです。

間隔が狭いハンドルは、なんとなく理由が分かります。「あ、これは “すり抜け” のためかな?」と。ハンドルが狭ければ、狭い隙間もスイッと入れる。かつてヤマハが出していた “すり抜け最強バイク” こと「SDR 200」のようなイメージなのかなと思いました。
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・一体なぜ、こんなママチャリが走っているの?

一方、ワケが分かららないのがクワガタみたいなママチャリです。まず第一に、グリップが握りにくい(……と私は思う)。ママチャリのライディングポジション的にも、腕が突っ張って疲れることが予想されます。一体なぜ、こんなママチャリが走っているの? 

その理由を、地方出身の同行者に聞いてみると、「たぶん……目立ちたいんじゃないかな。個性というか。ウン」との返事でした。なるほど、たしかに目立っていました。たしかに個性的でありました。そ、それだけの理由だったのか……。

・調べてみたらクワガタじゃなかった!

なお! その後、調べてみたところ、このクワガタみたいなスタイルは「カマキリスタイル」と呼ばれていることが分かりました。関西方面では、わりとメジャーなスタイルなのだとか。そうか、クワガタじゃなくてカマキリだったのか……と、そんなカルチャーショックが新鮮なのです。

(文=長州ちなみ、イラスト=テリーヌ富士子