ここ最近、日本全国の市町村で作られている「地元PRムービー」のレベルが、異常に高い……!!
これまでも、のんびりと地元のよさをアピールするムービーはCMなどでよく作られてきました。でも、このところ、そうした昔ながらのPRムービーとは一味もふた味も違った秀逸作品が日々、続々生まれているのです。
【宮崎県小林市:ユルい展開と見せかけて想像を絶するオチへ】
まずは、ハイレベルな地元PRムービーの先駆けともいえる作品から。宮崎県小林市が製作した移住促進PRムービー「ンダモシタン小林」(N’da-mo-shita’n KOBAYASHI)は、軽妙な展開から誰もが予想し得ない驚愕のオチへとつながる衝撃作で、公開されるやいなや大きな話題となりました。
同市に魅せられ移住したフランス人男性の視点を通して描き出される、小林市の風景。おそらくはフランス語、それと日本語字幕で、小林市の素晴らしくも不思議な魅力がユーモア交じりに語られます。これくらいであれば、よくあるPRムービーなのですが。
小林市の紹介が最後に近づいた、そのとき。男性の口からまさかの発言が……!
「ところで気づいたものだろうか。私がここまで西諸弁で喋っていたことに」(※字幕)
【フランス語じゃないんかい!】
……って、ええええええええーーー!!! フランス語かと思いきや、まさかの日本語!? 字幕なしだとまったく聞き取れないその言葉は、小林市で使われる「西諸弁」だったのです。その響きなどがフランス語にそっくりであるという点に目をつけて作られた同作、その驚きの結末に、誰もがもう1度観返したくなってしまうこと必至なのでありますっ。ちなみにフランス留学経験のある友人によると「完璧なフランス語の響きだけど単語がなにひとつわからないのでフランスの方言かと思った」とのこと。
【大分県:シンクロならぬ「シンフロ」】
一方で “おんせん県” こと大分県が公開しているのは、元・日本代表選手率いるプロのシンクロチームが同県の温泉でシンクロ(!)にチャレンジしている作品、「シンフロ篇 」。予想以上にスピーディーな動きと豪快な水しぶきから、1秒たりとも目が離せない!
【香川県:ミュージカル風だけどやっぱりうどん】
“うどん県” こと香川県は、ミュージカルに挑戦。「【愛にきてうどん県】 ウドンオブミュージック」と題し、歌い踊りながら、香川県の魅力を楽しく愉快にアピールしています。 “うどん県” 副知事を務める俳優の要潤さんも出演されているので、この点もお見逃しのないように。
【愛知県碧南市:これってもしや「ダーツの旅」……!?】
そして「20分に渡る長編」&「ドラマ仕立て」というところに並々ならぬ気合を感じるのが、愛知県碧南市のPR動画。凝ったストーリー展開もさることながら、個人的には某人気テレビ番組内コーナー「ダーツの旅」をイメージさせる冒頭の展開にグッときちゃいました。
【岐阜県関市:もしも○○がない世界だったら】
最後にご紹介するのは、記者(私)が最もツボに入ったPR動画、岐阜県関市「もしものはなし」。
人参をチョップ(!)で切ろうとする主婦に、ヒゲをガムテ―プでひっこ抜こう(!!)と試みるお父さん、髪の毛を歯で食い千切ろうとする美容師さん(!!!)。ほかにも爪が伸び放題のアイドルに、結婚披露宴でウェディングケーキに拳を振り上げるカップルといった具合に、全編がカオスそのもの。
【「刃物」がない世界って悲惨なんですね】
岐阜県関市は、かつて名刀・孫六の産地として名をはせ、現在では包丁を中心にあらゆる刃物を生産する「日本一の刃物の町」。ウチの町がなかったらちょっと困るでしょ、とばかりに「もしも刃物がなかったら」という世界を描いているのですが、もうね、どれも最高なんですよ。
特に野菜を無理やりぶった切ろうとする主婦と鬼の形相で髪の毛に食らいつく美容師さん、彼らの表情は超必見です。どうしてだかよくわからないけれど元気が出ます、ハイ。
おそらく探せばもっとあるであろう、オモシロ地方PR動画。記者は今後も継続して、その行方をウォッチしていきたいと思います!
参照元:YouTube(小林市公式チャンネル) 、YouTube(おんせん県おおいた) 、YouTube(うどん県愛にきて) 、YouTube(碧南市youtubeチャンネル) 、YouTube(関市公式チャンネル)
執筆=田端あんじ (c)Pouch
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