【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して本音レビューをします。

今回ピックアップするのは、2025年3月に公開された『ウィキッド ふたりの魔女』の続編映画『ウィキッド 永遠の約束』(2026年3月6日公開)。前作のラスト、空へ飛び立ったエルファバ。大親友のグリンダとの関係はどうなる? 試写で観ましたが、今回も色鮮やかで華やかで楽しかったですよ!

では、物語から。

【物語】

オズの国に隠された秘密、マダム・モリブル(ミシェル・ヨーさん)の計画を知ったエルファバ(シンシア・エリヴォさん)は、彼女たちに支配されず、動物たちを守ることを決意し、西へと飛び立ちます。

グリンダ(アリアナ・グランデさん)は同行せず、別の道を歩もうと決意。彼女はマダム・モリブルの策略で「善い魔女」として国民の人気者に。いっぽうのエルファバは「悪い魔女」のレッテルを貼られてしまいます。

そんなエルファバをフィエロ(ジョナサン・ベイリーさん) は助けようとしていたのですが、彼はグリンダと結婚することになり、フィエロを思っていたエルファバは大ショック。

親友から恋のライバルになったエルファバとグリンダ。その裏でマダム・モリブルが暗躍するのです。

【エルファバの主役感とグリンダの葛藤】

前作『ウィキッド ふたりの魔女』は、エルファバとグリンダの出会いと友情を描くと同時に魔法の力をコントロールできなかったエルファバが次第に魔法をものにしていくプロセスを見せていました。煌びやかなエメラルドシティも登場し、青春と友情と魔法が散りばめられたミュージカルファンタジーの傑作でしたよね〜!

さて、続編となる本作は「悪い魔女」と呼ばれながらも、動物たちを守るという意思を完徹しようとするエルファバの正義感とフィエロに恋する乙女な一面が見られます。

前作では引っ込み思案だったエルファバですが、本作では「やっぱり『ウィキッド』はエルファバがヒロインだよね!」と思わせる存在感。主役感がマシマシでしたよ。

また、前作で可愛さを炸裂させていたグリンダですが、本作ではエルファバと恋のライバルになったり、マダム・モリブルの策略に巻き込まれたり……。かなり葛藤があるんですよね。キラキラして弾けまくっていたグリンダの繊細で複雑な一面を見せてくれました。

【エルファバの妹が悪役に?】

本作で意外!と思ったのは、エルファバの妹・ネッサローズ(マリッサ・ボーディさん)。エルファバを慕う可愛い妹だったのに、父親のあとを継いでマンチキン国の総督に。

父を亡くし、エルファバも遠くにいってしまい、孤独などん底人生を権力で立て直していくうちに性格が変わっちゃったんですよ。

エルファバと再会しても姉を裏切り者扱い。もうびっくり。ネッサローズの大変身は本作のいいスパイスになっていました。

【モテモテのフィエロ】

エルファバとグリンダに愛されるモテ男のフィエロ。エルファバとグリンダと三角関係になり、女の友情をぐらつかせる要因になるんです。

どこかディズニー映画のプリンスのようなフィエロは正統派のイケメン。エルファバを必死に守ろうとするところなどかっこいいんだけれど、すでにエルファバとグリンダの個性が強烈なので、存在感で彼女たちに負けていたような気が。

もうちょっとクセ強めを全面に押し出してもよかったかもね、と思いました。

【魔法とミュージカルの相性の良さ】

前作でも感じたことですが、魔法とミュージカルはとても相性がいいんですね。歌で感情を表現し、観客の胸をふるわせるミュージカル劇そのものがファンタジー感たっぷりなので、そこに魔法が加われば無敵!

エルファバが空を飛び、熱唱をするたびに鳥肌ものの感動がありますし、グリンダのかわいらしい声と歌、そしてキラキラのドレスはまさに夢の世界そのものです。

『ウィキッド ふたりの魔女』と『ウィキッド 永遠の約束』は2作でひとつの物語なので、ぜひ前作を観てから鑑賞することをおすすめします。ゴージャスな魔法の世界にどっぷり、はまっちゃってください!

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:© Universal Studios. All Rights Reserved.

ウィキッド 永遠の約束

2026年3月6日(金)より公開
監督:ジョン・M・チュウ
出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター、ボーウェン・ヤン、マリッサ・ボーディ、with ミシェル・ヨー and ジェフ・ゴールドブラム
原作:ミュージカル劇「ウィキッド」〈作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ 脚本:ウィニー・ホルツマン〉 / グレゴリー・マグワイアの原作小説に基づく