[公開直前☆最新シネマ批評]
毎週金曜日は、映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。本日は、本日公開したばかりの映画『アンストッパブル』!
2009年に『サブウェイ123 激突』で、地下鉄相手に悪戦苦闘したデンゼル・ワシントン&トニー・スコット監督。今度は暴走する巨大列車を何とか止めようと体当たりする映画を仕上げました。どれだけ電車好きなの? 鉄道ヲタですか? と聞きたくもなりますが、試写を見て大興奮。『サブウェイ~』よりも迫力倍増した、パワフルなザ・アメリカ映画なのです。
ある操車場で最新鋭の貨物列車777号が、運転士のミスで無人で走り出す。列車は全長800メートル、危険な燃料も載せていた。このままだと途中の急カーブで脱線し、街を壊滅してしまう! 別の操車場から、旧式機関車を移動させていたフランク(デンゼル・ワシントン)とウィル(クリス・パイン)は、列車指令室の操車場長コニー(ロザリオ・ドーソン)から緊急事態を聞き、暴走列車を止めようとするのだが……。
イントロからいきなり走り出す暴走列車。その巨大な塊はモンスターと化して、行く手を阻むものをガンガンなぎ倒し、ものすごいスピードで疾走する。デンゼル演じるフランクはベテランの知識で策を練り、若い相棒がサポートするも、暴走列車は全然止まらない。だんだん力技になっていき、終いにはデンゼルが列車の屋根に上がって、ジャッキー・チェン並の危険を冒すという、もう驚きの連続です!
TV中継を見守る娘たちも「お父さん、死なないで」というメソメソした気持ちはまったくなく「行け、パパ、アンタならできる!」とイケイケ。これぞアメリカ、強い者が偉い! 弱気な様子は一切見せず、次々繰り出される荒技とアクシデントの数々に、興奮しながらも笑っちゃうというか。
上映時間99分も丁度良く、興奮しすぎて観終わったあとグッタリ。これ以上長く暴走されたら、見ているこっちが倒れていたかもしれません。(映画ライター/ 斎藤香)
『アンストッパブル』
監督:トニー・スコット
2011年1月7日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー!
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソンほか
2010年/アメリカ映画/配給:20世紀フォックス映画
(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX
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【斎藤香のプロフィール】
映画誌の編集者を経て、フリーのエディター&ライターに。
好きな映画はシニカルなコメディとミステリー系。好きな監督はウディ・アレン。
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