梅雨まっさかり! 

今年はわりとマシなほうではあるけど、それでもこの時期、本州ではすっきりしない天気の日が続いてダウンな気分ですね。

でも、6月下旬から7月上旬にかけてといえば、じつは北海道ではカラッとした天気&すっきりした気温がじつに気持ちいい、ベストシーズンなのです。なぜかというと、雨雲を梅雨前線が全部もっていってくれるから。週末バリもいいけど、週末北海道もそれはそれで最高なのですよ!

さて、北海道に来たならば。観光にレジャーに温泉にと、やりたいことはいろいろあるけれど、やっぱり忘れてはいけないのが「おみやげ」ではないでしょうか。

どこに行けばどんな素敵なスペシャルおみやげに巡り合えるかを、元道民の記者が意地と誇りをかけてリサーチして参りました。さっそくみなさまにお伝えします! メモって北海道に飛んで! 

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北海道のおみやげといえば、木彫りのクマ……ではなく! 

やっぱり「海産物」そして「スイーツ」がツートップでしょう! 前者は本州から見るととんでもない鮮度&安さのカニやホタテ、後者は「白い恋人」に代表される洗練されたおみやげ用スイーツの数々。いや、ほかにも平取や鷹栖のトマトジュースとか白糠のモッツァレラとか帯広の泥豚とか、えげつない名産品がいろいろあるんだけれども、とりあえずはメジャーなところからということで!

海産物、というとまず思いつくのはカニ・ホタテ・イクラ・ウニあたりでしょうか。本州で食べようとするとステーキよりもぼったくられることのあるこれら海のスターたちも、北海道に来れば安く買える……と思いきや。気を抜くと、倍以上の値段でひどいものをつかまされる可能性もある、言ってみればインドのような世界、それが北海道なのです。まず、最初に言っておきます。油断は禁物だよ!

・観光化された有名市場は避けるのが吉!


▲5000円を余裕で超えるカニたち……。

札幌や小樽には、どんなガイドブックにも載っている超有名な市場があります。そういうところに行くだけで、本州のお魚やさんにはなかなかないようなでっかいカニや見たことのない魚が売られています。こちらが観光客と見るや、声をかけてくる……でも。こんな経験をした友人たちがいます。

「『お嬢ちゃんどっから来たの』って言われて素直に『東区です』って答えたら『だーめだよ札幌の子がここ来ちゃwww』って笑われた。親切だと思うけど、どうなんだそれ」

「通りがかりに『見てよこれ、これがイクラだよ!』って言われた。知ってるし。で、それが質悪いってのも見てわかるし。なめんな」

地元民が見ると微妙だなというレベルのものが、堂々と超一流の値段で売られていたりします。すべてがそういう業者さんばかりだとは言わないけれど、やめたほうがよさそうです。

・空港の鮮魚コーナーは質はいいけど値段も高め


▲新千歳空港の売店にはイケスが。新鮮だけどえらく高い場合も

北海道の玄関口・新千歳空港では、なんともご立派な上記のスター魚介類が売られています。イケスなんかもあって、かなり本格的な品ぞろえ。ひと昔前はアブラガニをタラバガニと称して売りつける悪徳業者がいて問題になったりしましたが、最近ではすっかり安全です。

ただし、記者がみたところ市価の倍程度の値段で売られているものもかなりある模様。まあ空港だし、手間賃もあるよね……スキー場のカレーみたいなもんさ。空港で海産物を購入する場合、あくまで「買い逃したもの」に絞っていくといいでしょう。 

じゃあ、どうすればいいの? その答えは……

・地元スーパーに行ってみよう!


▲札幌市内のスーパーにて。この日、ズワイガニは小さめながら1パイ680円。

拍子抜けするかもしれないけど、実はこれがイチバンなのです。カニも殻つきホタテも、スーパーにふつうに並びます。毛ガニは小ぶりなら800円程度、殻つきホタテも1枚120円程度で購入可能。

ほかにもいろんな魚介類が豊富にあり、ひたすら安い。北海道民は海産物を食べ慣れているから安くても質が良くなくちゃお客が来ない、ということで鮮度も質もハイレベル。なにも「海産物の専門店」に行かなくても、そのへんのお店にいいものがあるっていうこと! なお、全国展開のお店より、地元資本の店のほうがよい仕入れをしている確率が高いようです。また市街地ではデパ地下の鮮魚コーナーもオススメです。

※もちろんふつうの魚屋さんがベストなのですが、商店街の発達していない札幌市などでは街中で個人営業の魚屋さんを見つけるのは非常に大変です。

地元の人々が行くところにいいものが集まる、という、ふつうといえばふつうの結論ではありますが……余計なお金を使わずに、いいものをぜひ手に入れてくださいね。

それでは最後に……

・狙っていきたい海産物あれこれ

「塩水ウニ」
とれたてのウニを塩水に漬けたもの。つまり、保存料(ミョウバン)を使っていない新鮮すぎるウニのことです。まったく日持ちしないので本州ではあまり見かけませんが、記者はウニ嫌いの友人3人をこれでウニ好きに転向させたことがあります。ムラサキウニのものであれば800円程度で購入可能。空港では倍近い値段になっていることがあります。

「石狩湾のシャコ」
札幌近郊の石狩湾は隠れたシャコの名産地。北海道の海にはヤクザさんの簀巻きが沈んでないから安全! という話ではありません。本州のお寿司やさんで見かけるモノのゆうに2倍はあるご立派なシャコたちにめぐり逢えます。1匹だいたい100円~120円ぐらい。

「増毛・留萌・羽幌の甘エビ」
正式名をホッコクアカエビ、別名ナンバンエビというこのエビ、北海道の日本海側地域で水揚げされます。この地域では「籠漁」と呼ばれる手間のかかる方法でていねいに採っているのでエビが傷つかずに新鮮! なぜかバカでかい! そして激安! スーパーで1パック200円程度で入手できます。エビ好きな方はなによりまずコレを試してみて!

「コマイの一夜干し」
別名カンカイ。北海道では超ポピュラーな、タラの仲間です。大きさは鮎ぐらい。一夜干しをさっと焼いて、七味&マヨネーズで食べます。1匹あたり100円を切る激安っぷりのわりに満足度が高い優れもの。釧路あたりでとれるので、釧路の地酒「福司」や根室の「北の勝」とよく合います。

「ロシア産の○○」
ほぼ北海道産です。近年、後継者不足に悩む北海道の漁師は自前の船でなく、ロシアの船で指導員として活躍しています。揚がる港がロシアでも、漁の指揮は日本人。海域も北海道に面したオホーツク海です。中国産、というのとはわけが違うの!

(取材・文=纐纈タルコ)

▼殻つきホタテ。
1枚100円ちょいで買えるので、道民にとってはごく身近な存在

▼毛ガニ。
5000円のをひとつ、より800円のを6パイのほうが豪勢じゃない?

▼北海道が誇る美味な貝・ホッキ。
げんこつくらいのサイズで1個200円ぐらい

▼スーパーの魚売り場。
多種多様なお魚がどっさり置かれています