sdffg
友達に子供ができるたび、ドキドキしちゃうこと。それは名付け。

極めて常識的だったあのコがつけた、「読めない・書けない・説明できない」トンデモネームに、目を泳がせちゃったことありませんか? 一生背負っていく名前。それがトンデモネームだと、いらぬハンデまで背負わされてしまうもの。そんなトンデモネームが問題になっているのは日本だけではありません。

シンガポールでは、あの世界的なスーパーヒーローBatman(バットマン)の名を持つ彼が騒ぎを起こしました。

【裁判にて】
判事は、こみあげてくる笑いに唇を噛み、つっかえながら、被告人に2年9カ月の懲役刑を言い渡しました。被告人は23歳の無職の青年、Batman Bin Suparman君(バットマン ビン スーパーマン)

な、なんと、名前がバットマン! そして苗字がスーパーマン! 正義の味方ふたりぶん! 名は体を表すって言うものね。頼もしーい! そんなバットマン君が何をしたというのでしょうか? 

【兄のキャッシュカードが不正引き出しされる】
今年7月、シンガポール市内に住むエンジニアのNurazman Suparman氏は、自分のキャッシュカードから650ドルが不正に引き出されていることに気づき、警察に届け出ました。

このNurazman Suparman氏はバットマン君のお兄さま。兄弟が受けた卑劣な犯罪被害に、正義の代名詞バットマン君は怒りに震えたことでしょう。

翌月、何者かが同じくシンガポール市内のGF Billiards&Marketing社に侵入、レジ内の430ドルの現金のうち200ドルを抜いていったことが判明しました。全部持っていかないところが、この犯罪者の卑怯なところです。この事件を知った義憤の権化バットマン君、これまた許せない思いで拳を握り締めたことでしょう。

バットマン君は立ち上がります。

【…ところが】
10日後、あえなく御用となってしまったのは、なんとバットマン君でした。彼のその高潔な精神は、悪に対して手加減ができず、その若い血潮は、赦すことをまだ知らなかった。そうに違いありません。

その結果、窃盗・不法侵入の罪で逮捕されることになってしまったバットマン君。ああ、涙が止まらな――えっ、ちょっと待って、何だって? 身内からキャッシュカードを盗んでお金を勝手に下ろしたのも、チンケなコソ泥をしたのも、バットマン君その人だったというの? しかも、逮捕後の尿検査でヘロイン中毒だったことが判明?

なんだよ! スーパーヒーローでもなんでもないじゃないかー! 

調べてみると、このSuparman(スーパーマン)という苗字、インドネシアのジャワ島近隣ではとってもポピュラーな名前なんだって。では、Batman(バットマン)はどうなのかというと、こちらは正真正銘のトンデモネームでした。Suparman夫妻よ、あなたたちの浅はかな名付けによって、息子のチンケな犯罪が全世界の知るところとなりましたよ。

この事件が起こる前、バットマン君は自分のIDカードをインターネットで公開、FaceBookに「Batman Bin Suparman Fan Club(バットマン ビン スーパーマン のファンクラブ)」というページまで作成していました。トンデモネームをポジティブにとらえる明るい性格のBatman君でしたが、大げさな名前のわりにやることの小さい、小心者のコソ泥だったのでした。(※ もちろん、逮捕された現在は更新されていません)

*****
トンデモネームって、親のエゴと無知が露呈してしまいがち。でも、トンデモネームやキラキラネームを薦めている本やメディアもあるからホント困っちゃいますよね。

出典:Slate.com
(画像・文=綾部綾)

original
▲ ただいま更生中!