アートって実はものすごい個人的で、精巧な作りで絶対真似できないような作品だから「すごい!」と思ったり、アイディアがとっても斬新で「すごい!」と思ったり、込められたメッセージが「すごい!」とかいろいろあると思います。
本日はそんな「すごい!」ストリート・アートをご紹介します。「すごい!」だけでは終わらないものすごい現代批判が込められているのかも??
手掛けているのはイタリアのミラノで活動をしている謎のストリート・アーティスト、フラ・ビアンコショック氏。今までに400以上のストリートアートを仕掛けてきました。イタリアを中心に、スペイン、ポルトガル、クロアチア、ハンガリー、チェコなどの街角に突如として出現しているみたいです。
それでは選りすぐりの23作品をご堪能ください!
1 ちょっぴり変わったグラフィティ・アート
定番のスプレーアートなんですが、これ落ち葉で出来ているんです。しかも枯れた葉っぱで「生きる」とのロゴなんて初っ端からなんたる皮肉。
2 可哀想なパックマン
「お腹空いてます。助けてください」と段ボールにメッセージが。パックマンの好きな丸いものを御恵みください。
3 ゴミ箱にちょっぴりイタズラ
ゴミ箱のおなじみのマークが変わっている! どういうメッセージが込められているか詳細は不明ですが、捨てるなら優しく、とかかなぁ? これを発見した人はにやにやしちゃうね!
4 ビーチはコチラ
「ビーチはコチラ」ってどう考えてもソチラにビーチないっしょ!! でも、その青と白のストライプ模様の小屋はなんか海っぽいよね!
5 ゴミコンテナでパスタ
悪ふさげぎりぎりの作品ですが、メッセージは謎……。ゴミコンテナの中で男性二人がパスタ食べています。
6 簡易トイレを可愛く
工事現場とか、お祭りなどのイベントによく見る簡易トイレ。てっぺんにストロー突き刺したらなんと、素敵なドリンク風に早変わり!
7 街角に巨大カプセル
車止めのようなものを2つくっつけて、薬のカプセル風に。ドクターマリオみたいなやつね!
8 水たまりネッシー
雨上がりにできた水たまりに、ネッシー出現? 正体は緑色にペイントして、半分に切ったタイヤを繋げたもの。
9 パックマンの大好物
道路の真ん中の丸い区切りを活かした作品。パックマン置いただけなのに動きがあっていい! ってかパックマン好きなんですね!
10 標識いじったらキャンディになった!
道路標識を組み合わせてキャンディ風に。可愛い♪
11 標識いじったら砂時計になった!
道路標識の位置を変えただけで、砂時計になってしまいました。「残り時間これくらい」みたいなね!
12 壁の傷に応急処置
壁だってラクガキされたら傷つくんです。なので、段ボール(?)製の巨大な絆創膏で手当てしてあげました。
13 手持無沙汰な防犯カメラに
防犯カメラの目線の先に、視力測定のあの表を描いてあげました。
14 黄色いMに赤い背景
黄色い手すり(?)のようなものに、赤い背景をつけたらワオ! “I’m lovin it!”
15 自慢のマイホーム
地面のマンホールのようなところに、玄関マットと脱ぎっぱなしの靴をおいてみた。秘密の地下のマイホームのようこそ。
16 漁りたくなるゴミ箱
ゴミ箱に「夢」「お金」「健康」「スキル」と書いてあります。何が捨てられているか、こっそりのぞいてみたくなっちゃう? 特に左から2つ目は気になりますね。
17 ストレス解消無料です
「ストレス解消無料です」と書いてあります。サイズは大(10分用)中(5分用)小(3分用)。正体はダンピング材でおなじみの、指で押すとプチップチッという音が楽しいアレです。現代人に一番必要なもの?
18 道で飲んだくれた天使にラブソングを
飲みすぎて道端で寝てしまった天使の石像に毛布をかけてあげました。周りには空の酒瓶が転がっています。
19 横断歩道を渡れば怖くない
線路に横断歩道描いちゃった。ヨーロッパでは横断歩道はほぼ車が止まってくれるそうですが、この横断歩道を渡ったら確実にアウトですね。電車来てますし。
20 現実逃避まで7573キロ
道路標識に似せたアート。「南の国まで7573キロ」ってたしかにそうかもしれない! そうかもしれないんだけど!! これを発見した人はにやにやしたんだろうなぁ。
21 建物につぶされた人
建物の角に、あたかも踏みつぶされてしまったような人間の模型。足と手だけはみ出ています。「オズの魔法使い」の西の魔女の構図ですね。
22 仕事も家もない
ホームレス設定のチーターの絵を壁にスプレーし、その前に「仕事がなければ帰る場所がない」というメッセージ。辛らつです。
23 ヘル・オブ・キティ
「ハローキティ」の皮肉。世界中で人気のキティちゃんが服を着崩して切なげにヒッチハイクしてます。もう時刻は夜。誰も止まってくれない。
いかがでしたか?
ストリートアートは、美術館などで大事に飾られるものではなく、ある日突然出現し、ほどなく撤去されたり、なくなってしまうような短命な作品。その場所に行けばいつでも必ず見れるものでなく、その場所そのタイミングでしか出会うことができない。一期一会なんですねぇ。
まさしくフラ・ビアンコショック氏が掲げているポリシーが “エフェメラリズム(Ephemeralism)” だとか。短命、かりそめ、永遠ではないなど、ヨーロッパでは本来ならネガティブな意味で使われる言葉。桜が散ってしまう儚さを美しいと思う日本人の感覚とちょっぴり似ているところもあるかも。永遠には続かないからこそ、強烈なインパクトとメッセージ性があると感じました。遭遇できたラッキー感も否めません。
アートは人の数だけ解釈があります。写真をじっくり眺めて、どんなメッセージが込められているか想像してみるのも楽しいかと思います。フラ・ビアンコショック氏の今後の活躍に期待! 今のところ具体的な来日予定はないそうですが、いつか日本にも素敵な作品を仕掛けに来てください!
参照元:FRA.BIANCOSHOCK
執筆=黒猫葵 (c)Pouch
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