昨年、広島に引っ越してきた筆者。滞在中に「もみじ饅頭を全種類制覇して、お気に入りをみつけよう!」と決意してから、はや半年。とりあえず大手のにしき堂とやまだ屋の全商品を食べてみましたが……気づいてしまったのです。このままじゃ、いつになっても終わらない!
一度に美味しく食べられるのは、せいぜい3個。でも、日を分けて食べると、前に食べたものの味を忘れてしまって、うまく比較できないのです。
と、そこで思い出したのが、以前もお伝えした30歳以上の広島在住の女性がつくるコミュニティ、COAKI。もみじ饅頭発祥の地、宮島のもみじ饅頭を全種類味わったという彼女たちなら、きっと効率よく美味しいお饅頭を見つける方法を知っているに違いない!
そこで、GW中に開催されたCOAKIさんのイベント、「もみまんマルシェ」へと出かけたのでした~!!
会場は、H&Mなどの人気ショップが立ち並ぶ、広島市の中心部。ファッションビルのPARCOに隣接するイベント広場、アリスガーデンです。こういったオシャレな界隈で、地元お菓子のイベントが開催されるというギャップ! 何だかワクワクしてしまいますねえ。
【もみじ饅頭食べ比べの極意 その1 店のおススメを食べるべし】
会場に到着すると、微妙な天気だったにもかかわらず、人だかりが!
一番人が集まっている場所には、その日の主役、もみじ饅頭が並んでいます。定番のあんこのほか、抹茶、ゆず、みかん、レモンなどなど。変わり種がたくさんあるのですね~。
宮島菓子組合に加盟する、12のお店のもみじ饅頭が24種類。うん? 100種類以上あると聞いていたので、思っていたのより少ないかな? しかし、実際に100種類以上展示されていても、どれにしたらよいか迷うし、食べきれないでしょう。ある程度セレクトしておいてもらえて、助かりました!
【もみじ饅頭食べ比べの極意 その2 変わり種に心を奪われるな。定番のこしあん・つぶあんにも目を向けるべし】
お饅頭を購入するシステムは、受付で1200円を支払い、好みのドリンクともみじ饅頭6個を選ぶというもの。お饅頭の内訳は「あんこ」から3個、「変わり種」から3個と決められています。「すべて変わり種を」ともくろんでいた筆者は、ここでけん制された模様。
しかし、これもまた結果的によかったのです! 何故なら、筆者がこの日一番美味しいと思ったのは、藤い屋の「つぶあん」。定番のあんこですが、栗のペーストが練りこんであるのだそう。
「変わり種」オンリーに走っていたら、この味に出会うことはできなかったかもしれません。
【もみじ饅頭食べ比べの極意 その3 時々、休憩をとるべし】
さすがに一気に食べると、どんなに美味しいお饅頭でも体が受けつけなくなってきます。時々、ドリンクブースを回って、休憩します。ブースには、以前お伝えした「もみじ饅頭のお酒」(中国醸造)を使ったメニューもありましたよ~。
このお酒を使ったカフェラテをオーダーしてみると、うさぎさんのラテアートをほどこしてもらえました。カワイイ!!
ラテを淹れながら、広島出身のバリスタさんが「私たちが子どもの頃は、もみじ饅頭って定番すぎて、お土産にも持っていかなかったくらいなんですよ」と話してくれます。最近、もみじ饅頭を楽しむ人が一気に増えたのは、COAKIさんの活動でミニブームになっているところに、『もみじ饅頭のお酒』が登場したからなんですって。
「(もみじ饅頭が)盛り上がっていなかったから、盛り上げてみようと思った」。今回のイベントのほか、「もみまんナイト」という夜のイベントで、お酒ともみじ饅頭という、意外なマリアージュを提案してきたCOAKIさん。そして、お酒が飲めないけれど、楽しんでみたいという顧客のために、昔から広島の人が慣れ親しんできたもみじ饅頭をお酒にしたという中国醸造さん。どちらもせっかく存在している特産品を「おしい」ままにしておかない、素敵な試みですよね。
【もみじ饅頭食べ比べの極意 その4 仲間をつくるべし】
そんなことを考えながら、もみじ饅頭を3個食べ、残りは家に持ち帰って食べることにした筆者。うーん、今回食べられなかったもみじ饅頭が18種類もある……会場に展示されていないお饅頭のことも考えれば、まだまだ全種類制覇への道は遠いなあ。どうすれば、たくさん味わうことができるのでしょう?
COAKIのYOHKOさんによると、メンバーと分け合って数をこなしたとのこと。また、会場にいた方にも伺ってみると、「クリーム好きとか、同じフレーバーが好きな人同士で集まって情報交換をする」のだそうです。
キーワードは、仲間、ですか。あ、イタイ。何だか胸につき刺さるものがあります。筆者、まだ広島に友人と呼べる人がいないのですよねえ……自宅で一人もみじ饅頭を食べていると、満腹感とは違った胸にせまりくるものを感じるのですが、あれは「ぼっちもみじ」の虚しさだったのでしょうか? 薄々気づいていましたが、現実をつきつけられると、辛い、です。
「東京の友人にとっておきの広島土産を見つけたい!」との思いで始めた「もみじ饅頭全種類制覇」ですが、今後はこちらで友人を見つけ、一緒に様々な味を楽しむ方向にシフトしたいと思います……!
撮影・執筆=大井たま (c) Pouch
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