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先日、公開した「【かる~く閲覧注意】見ないほうがいいかも! フライトアテンダントが絶対に教えてくれない「知っちゃうとコワい飛行機のウワサ13個」という記事。コワいウワサが多くてちょっと涙目になっちゃいます。

「本当のところはどうなの!?」と気になったので、飛行機に安心して乗るためにも、パイロット、元CA、航空会社に連絡をとり、真相解明をはかることにしました。前編では「パイロットは飛行時間のほとんどの時間、寝ている」、「緊急時の酸素マスクの使用可能時間は15分程度」などのウワサの真相を解明

今回は後編。「機内のトイレの鍵は外から開くのか?」「暑い日は離陸が大変って本当か?」等の謎を解明します。

【ウワサ その7】
「トイレの鍵は外から開けられる」

→ホント! 
元CAの方によると、外からトイレの鍵は開けられるし、開ける訓練もするとのこと。でも考えてみたら開かない方が怖いです。トイレのなかで倒れてしまった人を救助する時などの場合や、何かの加減で出られなくなったときに、外から開けられないと閉じ込められてしまいますから。開け方についてはCAの方だけがわかっていればいいものなので、書きませんよ!

【ウワサ その8】
「機内のトイレの水はもちろん、飲料水も汚いから飲んではいけない」

→ウソ!
ANA広報部の方によると、汚水と給水を同じ管に通すことはもちろんないし、消毒をきちんとしたタンクに飲み水を入れているとのこと。ANA機内ではトイレの蛇口の水を飲まないようにと案内していますが、それは一般の家庭でトイレのタンクの上にある手洗い場所の水を飲まないのと同じ発想。確かにトイレの中で水をごくごく飲みたくはありませんよね。うがいができる程度にきちんと消毒されており、きれいなので安心してほしいこと。

提供される飲料水も、当たり前ですが衛生上十分に飲める程度の水を積んでいるとのこと。日系航空会社のパイロットも「ぼくも普通に飲んでいます」とおっしゃっていました。ウワサを流した人は、水道水も汚いから飲めないと言っている人なのかもしれません。

【ウワサ その9】
「預けた荷物はかなり荒っぽく取り扱われる」

→ウソ!(少なくとも日系の航空会社に関しては) 
ANA広報部によると、国内に関しては全社ともに荷物は可能な限り大切に取り扱っているほか、万が一の際には補償を行なっているとのこと。

預ける側の方でもきちんと規定に従った預け方をすることが大切です。元CAの方によると航空会社によって預け方には多少違いがあるとのこと。搭乗する会社のホームページをよく見て持ち込み方を検討することが大切なのですって。

また元CAの方が言っていたのは「トランクは消耗品である」ということ。海外の場合は残念ながら荒っぽく扱われることもありますが「傷がついていた。ムキー!」と怒るのは、トランクの目的を考えると違うということなのですね。

【ウワサ その10】
「電子機器の電源を切らせる本当の理由は、パイロットの無線に携帯電話の音声が混線するから」

→混線はウソ! でも影響はあるかも 
パイロットに携帯電話の音声が聞こえてしまう……というのはありえませんが、ANA広報部の方によると、パイロットと管制官の連絡に必要な無線に雑音が入ったり、コックピットの計器に影響が出たりする恐れがあるんだとか。

アメリカでは離着陸時の電子機器の使用が解禁になり、日本でも国交省が夏をめどに解禁を検討しているという報道がありました。しかし、問題が発生するかもしれないので、安全であることを十分に確認してからの解禁になるだろうと、ANA広報部の方はおっしゃっていました。

元CAの方に聞いたところ、当然CAの方々も離着陸時は電子機器の電源を切っているとのこと。ただ、中には使用を許可している航空会社もあるそうです。でも機体の種類等さまざまな事情を慎重に検討して方針を決めているので、お客さん自身で判断はせず、必ず係員の指示に従ってほしいと言われました。

【ウワサ その11】
「暑い日は空気が薄くて離陸が大変」

→ホント!
でも別に危険なわけではありません。日系航空会社のパイロットの方によると、気温が上がると空気の密度が下がるので、エンジンに負荷はかかるそうです。ただし、だからといって「暑い日は危ない」と考えるのは早計。気温や風向き、滑走路の状態などを細かく分析し、荷物や燃料で重さを調整し、確実に安全に飛べる状態になって初めて出発するので安心してほしいとのこと。

また、「荷物で重さを調整」といっても、基本的にはお客さんの手荷物をおろすわけではないのでご安心を。飛行機には空輸便として受託している荷物があるので、そういったものから降ろすそうです。よかった。

【ウワサ その12】
「空港のセキュリティは抜け穴だらけ」

→ウソ!
実際のところは空港のセキュリティ会社に聞いても「万全の対策をとっています」としか教えていただけないし、どういうセキュリティになっているかも秘密のため教えてもらえません。しかし少なくとも元CAの方複数に聞いたところによると、「ここは危ないよね」「ここからだったら突破できるよね」と感じるような部分はないとのことでした。当たり前ですよね。

【ウワサ その13】
「大きい飛行機に乗っているからといって、パイロットが経験豊かとは限らないし、下請けの会社から派遣されたパイロットの場合もある」

→ウソ!(少なくとも日系航空会社では) 
日系航空会社のパイロットによると、契約社員的なパイロットはいるとのこと。ただし、そのパイロットの経験が浅いわけでは決してないそうです。また勤務態度が悪いと契約継続にならないので、きちんと仕事をしているそうでした。よかった。

映画などにはとんでもないパイロットが出てくることがありますが、変な人はいないのでしょうか。そう聞くとパイロットの方は、「人間的に興味深いすてきな人はたくさんいますが、残念ながら、記事としておもしろく書けるような変な仕事をするパイロットはいませんねえ」とおっしゃっていました。残念! いえ、一安心。

いかがでしょうか。ウワサが本当の場合もありますが、きちんと理由があってのことだとわかると安心できますよね。夏の旅で飛行機に乗る予定の皆さん、安心して搭乗してくださいませ。

取材協力=ANA広報部、日系航空会社のパイロットの方、元CAの方
前編=Pouch(前編)飛行機の「怖〜いウワサ」ウソ? 本当? パイロット・元CA・航空会社にしつこく聞いて教えてもらった!
取材・執筆=FelixSayaka/ 画像=Pouch (c) Pouch