「マーボー豆腐は飲み物」と言ったのは若槻千夏さん、そして「カレーは飲み物」と言ったのは故ウガンダ・トラ氏。今でも氏の命日は「カレー忌」と呼ばれ、生前親交のあった仲間たちがカレーを食べて個人を偲ぶ……というのは有名なエピソード。
さて、昨年11月にオープンに東京・秋葉原にオープンしたとあるカレー屋。故ウガンダ・トラ氏の名言「カレーは飲み物」をそのまま店名とした黄と黒のビビッドな看板は、道行く人の注目を集めるに十分なインパクト。うだるような猛暑に胃から対抗すべく、早速突撃してきました!!
店内はカウンター13席のみで細長い造り。厨房の寸胴鍋から、湯気とともに鼻腔を刺激する香りが立ち込め……これだけでやる気スイッチオンであります。
●赤か黒か……それが問題だ●
同店のカレーは「赤い鶏カレー(790円)」と「黒い肉カレー(890円)」の2種類のみ、と潔いことこの上なし。食券機の前で優柔不断っぷりを発揮し、後ろの人に舌打ちされる日々を送ってきたアナタもこれで安心です。黒がドロドロの欧風カレーなのに対し、赤はサラサラのインド風カレーだそう。
同一料金で、ルーは「小盛200グラム・中盛300グラム・大盛400グラム・山盛500グラム」の4種類から、ライスも「小盛200グラム・中盛300グラム・大盛400グラム・山盛500グラム」の4種類から選べるので、腹ペコさんは山盛りコンボで夢の1キログラムをどうぞ。私も、同じ値段なら食べにゃ損! ということで、山盛り500グラムの「赤い鶏カレー」と中盛り300グラムのライスで計800グラムを注文。これで790円は安いと思います。
●トッピングを選ぼう●
トッピングは無料で、「味玉・らっきょう・福神漬け・ポテトサラダ・スライスアーモンド・パクチー・ツナマヨ・コーンマヨ・バジル・フライドオニオン」の全10種類の中から3つまで選べます。私が選んだのは「ポテトサラダ・スライスアーモンド・バジル」。実際に注文するときはそれぞれの番号で言います。3連複気分で「4-5-9」てな感じに。
ごろごろと粗目に形を残したポテトサラダは、シンプルな味付けなのでインターバルにぴったりでおすすめ。香ばしく食感が楽しいスライスアーモンドや、爽やかさ要素がプラスされるバジルも良し。
●本当にカレーは飲めるのか?●
注文から5分ほどで「赤い鶏カレー(山盛500グラム)」が登場。ライスとルーが別々だと案外少なく見えるもので、第一印象は「え? これ本当に山盛?」と思ってしまいましたが、スプーンがちょっと大きめなのと、実は器の底が深いのでそう見えてしまうのかも。
鮮やかな赤色のルーの秘密は、たっぷりのトマト。ガラムマサラなど香り高いスパイスとともにトマトの酸味が立っていて、これぞ夏に食べたいカレー。辛さは少しピリピリとする程度なので、辛さに弱い人も挑戦しやすいかも。サラサラと軽い口あたりで、水分をあえて抑えて炊かれたサフランライスにしみ込ませながら食べていると、あっという間にライスが減っていきます。
さらに、大きめの鶏肉が4つも入っているのは嬉しいところ。プリプリとした憎い食感を残しながらも、スプーンでほどけてしまう柔らかさまで丁寧に煮込んであります。よい仕事、してまんなー。
試合終盤。見たところ誰も実行していませんでしたが、余ったルーを器から直接飲んでみました。さながら優雅なティータイム。
サラサラ万歳。違和感なく飲めちゃいます。カレーにのど越しを求めてはないけれど、これはゴクゴクいけちゃうので、やはりここのカレーは飲み物なのだと思います。そして無事に完食。決して大食いではない、いやむしろ小食の私ですが「ルー山盛500グラム+ライス中盛300グラム」でも足りない旨さでした。結論、量・旨さともにお値段以上に満足!!
気になる方は、この夏秋葉原(か池袋)でカレーを飲んでみてはいかがでしょう。
店舗情報 【カレーは飲み物。秋葉原店】
住所 東京都台東区台東1-9-4 片岡ビル1F
電話番号 不明
営業時間 11時~(カレーが無くなり次第終了)
定休日 無
取材・撮影・執筆=井上こん(c)Pouch
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