今晩は、お姫さま。ふと見上げるとそこに浮かぶ月。恋する男女の距離を想い切ない気分にさせたり、その魔力によって時には人に過ちを犯させてしまう。
潮の満ち引きに関与するほどの影響力を持ちえながらも、自らは孤高に美しく夜空に佇んでいる……そんなミステリアスかつ僕等を引きつける月について今宵はロマンチックに姫君に語りかけていきたいな。
月は地球から約38万キロメートル離れている。光の速度でも1秒ちょっとかかるので僕達が観ているのは1秒前の月の姿なんだね。
往復だと3秒はかかるので、僕と姫君が月と地球で電話をすると3秒のタイムラグがかかる会話になってしまうらしいよ。
離れている距離が2人の恋心を盛り上げるなんて言うけど、このタイムラグはちょっといただけないかもね。
そして、月と言えば地球に比べて重力が6分の1、なので最近体重の気になっている姫君も6分の1の体重で身軽に過ごすことができるね……あれ、なんだかロマンチックな事柄について話せてないな。姫君の目も心なしか怒っているように見えるし……。
じゃあ最後に月に関するおまじないを一つ。満月の夜はワイングラスにロゼを注いでベランダに出てみよう、グラスに満月を映して恋する相手を想い「恋が叶いますように」と唱えてワインを全て飲む。
未成年の姫君はグレープジュースで願い事をしてみてね。上手くいくことを願っているよ。
それじゃ、おやすみ、お姫さま。
撮影・執筆=リョウ・カミヤ (c) Pouch
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