オランダに暮らすヨハン・ハイバース(Johan Huibers)さんは、さかのぼること25年前の1993年、おやすみ前の子供たちに『ノアの方舟(はこぶね)』の話を読み聞かせていました。
『ノアの方舟』とは、旧約聖書『創世記』に登場する、大洪水から人間と動物たちを救った舟の物語のこと。
神を信じることなく遊んでばかりの人々を滅ぼそうと、神が引き起こした大洪水。真面目に働くノアにだけ洪水のことが知らされており、作った方舟に自分の家族や動物たちの “つがい” を乗せたことで洪水から逃れた……というのが、大まかな内容です。
【そうだ、ノアの方舟を作ろう!】
この読み聞かせをきっかけに、「ノアの方舟のレプリカを作ろう!」という壮大な夢を抱くようになったヨハンさん。奥様には盛大に笑われたそうですが……
まずは2006年に最初の「ノアの方舟」を制作。
ところが、「これでは聖書に書かれている方舟の半分のサイズではないか!」と不満を覚えたのだそう。そして改めて2008年、アマチュアの大工たちを集めて聖書が描いたとおりの「ノアの方舟」制作に着手。2012年にめでたく完成にこぎつけ、一般公開されるまでにいたったといいます。
【規模が尋常じゃない】
最高で1万人まで収容できるという「ノアの方舟・レプリカ」の大きさは、長さ125m、幅29m、高さ23mで、デッキの数は5つ。かかった総額はなんと約18億円で、聖書に基づきたった8人という人数で、4年2カ月という歳月をかけて完成させました(旧約聖書においてノアの方舟に乗った人間の数は8人)。
壮大すぎる「ノアの方舟」には、1週間で平均4500人の来場者があるとのこと。その全貌は、動画サイトVimeoやYouTubeに公開されている動画、または公式フェイスブックおよびインスタグラムでチェックすることができます。
【情熱がすごすぎて感服です】
船の内部には、ゾウやキリンといった動物たちの模型も飾られているようで、見ごたえ十分。オランダを訪れる機会があれば、ぜひとも見学してみたいものです。
いやはやそれにしても……ちょっとした思いつきでここまで本格的な作品を仕上げてしまうだなんて、人間の情熱ってすごい。理想を実現させるために決して妥協をしなかったその熱意に、感心のため息が止まりません~~~!!!
参照元:Ark of Noah Foundation、Vimeo、YouTube、Instagram @arkofnoahfoundation、Facebook
執筆=田端あんじ (c)Pouch
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