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日暮キノコさん著、漫画『喰(く)う寝るふたり住むふたり』は、交際10年同棲8年のアラサーカップル町田りつ子(りつ子)と野々山俊一(のんちゃん)の日常を男女両目線から描いた、新感覚の恋愛ザッピングストーリー。

特に大きな事件が起こるわけでなく、淡々と過ぎゆくふたりの毎日。でもそれが、「生活」というもの。

しかしそのなかでふっと沸く些細なモヤモヤ、相手のことを想うがゆえの行動なのになかなか伝わらない、もどかしいすれ違い。誤解がある瞬間解けて、一気に距離が縮まるあの、たまらなく幸せな感覚。

同棲を1度でも経験した方はもちろん、ひとりの人とある程度長くお付き合いをしたことがある方ならば誰もが大きく頷いて、その後ちょっぴり泣いてしまう、そんなエピソードが満載の同漫画。こちらがなんと、5月6日(火)NHK・BSプレミアムにて、小西真奈美さんと金子ノブアキさん主演でドラマ化されることが決定したんですって!

というわけで本日は、『喰う寝るふたり住むふたり』ドラマ化を記念して、発刊当時から同漫画の大ファンである記者(私)が数あるエピソードの中から選んだとっておき「同棲カップルあるある」3選を、みなさんにご紹介したいと思います!

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★その1「家に帰った瞬間心のバリアがとける」

(1巻第2話「りつ子、合コンへ行くの巻」より)
親友ニーナに、ある日合コンに誘われたりつ子。「彼氏いるし……」と当初はまったく行く気がなかったけれど、当の彼氏のんちゃんに「社会勉強になるから行って来なよ!」と明るく言われて拍子抜け。

のんちゃんとしては、「同棲生活8年、彼氏としての余裕をここでみせなければ……!」という半ば強がりからの発言だったのですが、真意は伝わらないものです。「誰もお前なんて狙ったりしねーよ、ってこと!? まだまだあたしもイケるんだってとこ、みせてやろうじゃないの!」とりつ子はメラメラ、合コンに行く決意をします。

さて美人で気のきくりつ子ですから、男性ウケもバッチリ。ひとりの参加男性に「メアド教えて?」とアプローチされますが、携帯電話をとりだしたその瞬間、本当はりつ子のことが心配で仕方なかったのんちゃんからの、メールの嵐に気付きます。

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嘘のメアドを教えその場を後にしたりつ子は、のんちゃんが待つふたりの家へ。ドアを開け彼の顔を見た瞬間、ちっとも酔えなかった今までがウソのようにフニャフニャに、一気に心のバリアがとけていくのを感じたりつ子なのでした。

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★★その2 「『大好きだからしたい』と願う女心と『大好きだけど、それと性欲とは別』と考える男心」

(2巻第6話「のっぴきならない事情」より)
長く一緒に住んでいると、そう頻繁に夜の営みをしなくなるもの。でも、女性にとって「大好きな人に求めてもらえない」ことほど、悲しく寂しいことはありません。

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一方、ずっとふたりで「生活」というものをしているからか、りつ子が決死の覚悟で誘っても、なかなか「エッチスイッチ」を入れることができないのんちゃん。

そのことを仲の良い上司に相談したところ、「それは言い訳、俺が彼女だったら辛すぎる。語弊があるかもしれないけれど、女の人はエッチできる年数が限られていると思う。その限られた時間を一途に自分だけに注いでくれていると思ったら、どんな言い訳も通らない」と諭されます。

大好きな人だからこそ、この人と「したい」と願う女心。大好きなことに変わりはないけれど、性欲とそれとは別だと考える、男心。さてこの溝は埋まるのか? その結末はアナタのその目で確かめてみて。

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★★★その3 「付き合いたてのアツアツカップルと自分たちを、どうしても比べてしまう

(3巻第11話「ふたり酒」より)」
久しぶりに彼氏ができた親友ニーナは、恋する女そのもの。日々イキイキ&キラキラ、どんどん綺麗になっていきます。そんなニーナを温かい目で見守りつつも、自分たちの所帯じみた関係にちょっぴり落ち込むりつ子。なによりも「相手に優しくできない」、そんな自分に落ち込んでしまうのです。

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一方のんちゃんは、帰る場所に大好きなもの、つまりりつ子がいることに日々幸せを感じています。大好きな人と日常を過ごせる喜びと、その一方で生まれる、大好きな人といることがいつしか日常に「なってしまった」と感じる心。

でもね、何年一緒に過ごしたとしても、お互いに対して日々発見はあるもの。それがきっかけで、ふたりの間に新しい風が吹くことだってあるのです。そのことを、この物語の結末が教えてくれます。気になった方はぜひ、本編をご覧あれ!

いかがでしたか? どれもこれも、あるあるすぎるでしょう?

軽い気持ちで1巻を立ち読みしたらその場で泣きそうになり、慌てて購入。帰宅後読みながら号泣、それ以後しっかり同漫画にハマった経験を持つ立場から言わせてもらいますと、「とにかく手にとって読んでほしい!」このひと言に尽きます。5月から始まるドラマ放送の前の予習としてもぜひ、ご一読あれ。

参考元:コミックゼノン NHk
撮影・執筆=田端あんじ (c)Pouch